ジャンル・エリア : グルメ | 愛知 2016年08月04日

地域の人に支えられて居酒屋を開店する桜井さん=豊川市御津町で
豊川市御津町のJR愛知御津駅前に7日、焼き鳥を中心とした居酒屋「まる武」が開店する。かつてさまざまな商店でにぎわった駅前の空き店舗を借りたのは桜井武志さん(51)=同市国府町。修業した料理店や趣味仲間らの後押しを受け、開店にこぎつけた。
桜井さんは十数年前から空き店舗になっていた食堂跡を改装。焼き鳥は三河地鶏などを使い、25席の店の開店に向けた準備に忙しい。
広告代理店を営みながら、5年ほど前から御津駅前の「まる屋料理店」でお客の送迎を手伝ううちに、厨房(ちゅうぼう)でも働くようになった。
修業する料理店の周辺では、店主の高齢化などで閉店する飲食店などが目立っていた。「中高年が楽しめる店がない」という声を聞き、料理店の店主らからも「店を出したらどうか」と声をかけてもらうようになった。
「飲食店は自分に向いているかもしれない」と開店を決意。開店場所に最初に決めた空き店舗は老朽化で使えず、頓挫。バイク仲間の美容院店主が、駅前近くで空き店舗を借りられるよう交渉してくれ、ようやく出店先が決まった。
開店資金は、御津町商工会の計らいもあって日本政策金融公庫豊橋支店の新創業融資制度の融資金や豊川市の創業支援事業の補助金、自己資金で賄うことができた。居酒屋を営む兄から鶏肉のさばき方なども教わった。店舗の改装は、飲み仲間の建築会社や電器店の関係者が担当した。
広告代理店を閉め、居酒屋に専念する桜井さんは「かつては三味線の音が聞こえたにぎやかな商店街。開店まで支えてくれた地域の人たちに恩返ししたい」と地元客らでにぎわう日を楽しみにしている。
(吉田幸雄)