ジャンル・エリア : 愛知 | 水族館 | 生き物 2017年03月15日

一般公開初日に胸びれで「握手」のパフォーマンスを披露する雄のベルーガ=名古屋市港区の名古屋港水族館で
名古屋市港区の名古屋港水族館で14日、昨年8月にロシアから搬入された雄のベルーガ(シロイルカ)の一般公開が始まった。「衝撃的」と飼育員を驚かせる適応力で早速、来場者を楽しませている。
新たなベルーガは野生で、直後は来場者の目に触れない医療用プールで飼育。飼育員の森朋子さん(40)によると、館内のエレベーターが動いたり、扉を閉めたりすると、敏感に反応し、おびえた様子を見せていた。気分次第で餌を食べない時もあった。
昨年11月中旬、ほかに5頭いるベルーガのうち、年齢が近い雌の「ナナ」(9歳)、雄の「ミライ」(4歳)と同じプールに入れてみると、急速に水族館の環境に慣れ始めた。
今月初旬からゲートを開けて、展示プールに出る訓練を開始。狭いゲートを通って初めてのプールに入る不安から、ここでつまずく個体が多い。
イルカやシャチの担当も経験し、1年かけても出られなかった例を知っている森さんは「3月中は無理だと思っていた」と振り返る。ところが、今回は初日から展示プールで餌を食べる離れ業を演じてみせた。
体を回転させる「ツイスト」などのパフォーマンスを既に身に付けており、初日から来場者の歓声を浴びた。体長4.14メートル、体重約900キロで6頭のうちで最も大きく、最も小さく特に仲が良い2.88メートル、373キロのミライと一緒に泳ぐ姿も人気を集めそうだ。
館内では昨年8月に誕生したバンドウイルカと併せ、愛称を決める投票を4月6日まで受け付けている。
(立石智保)