ジャンル・エリア : 乗り物 | 富山 | 展示 2017年03月22日

修復されたチャンドラ号=砺波消防署で
「防火のシンボル」 28日から砺波で公開
砺波市が所有する約90年前の消防車「チャンドラ号」の修復が完了し、21日、納車された。米・フォード社製のガソリン車で、エンジン付きの県内最古の消防車として県教委の「とやまの近代歴史遺産」にも選ばれている。28日から砺波消防署に新設した展示室で一般公開する。(山森保)
旧出町消防組が1928(昭和3)年に導入した。当時、ガソリン車の消防車は珍しく、エンジンの動力で放水もできた。高岡、射水、氷見市などの大火にも出動するなど41年まで第一線で活躍。83年から砺波チューリップ公園で公開展示していたが、さびや破損が目立ち、2015年8月から修復していた。
塗装やメッキをやり直し、傷みが激しいメーター類は特注した。欠損部品は自作したほか、一部は博物館からも入手。エンジンはかからないが、往時の姿を取り戻した。事業費は展示室を含め約1300万円。
修復を担当した砺波市広上町、老松自動車工業の老松満社長(74)は「さびて穴だらけだったグリルの修復が難しかった。ボンネットの鷲(わし)のエンブレムはインターネットで英国から取り寄せた」と話した。ライトは車検対応で小型のものに交換されていたが、初期のタイプに戻したという。
宮口孝志副署長は「地域消防にかける住民の思いが伝わる。防火のシンボルとして役立てたい」と話している。