ジャンル・エリア : 富山 | 展示 | 文化 | 歴史 2017年12月18日

竹久夢二が描いた楽譜の表紙画=富山市の高志の国文学館で
高志の国文学館
大正ロマンを代表する富山ゆかりの画家・竹久夢二と音楽の関わりに焦点を当てた企画展「竹久夢二 音楽を描く」が、富山市舟橋南町の高志の国文学館で開かれている。300点に迫る展示点数は、夢二の企画展では国内最大規模となる。来年2月26日まで。(山本真士)
大正-昭和初期の楽譜の表紙画を中心に292点を展示。当時の楽譜は娯楽品の一種で、表紙画はレコードのジャケットのような役割があったという。
日本初の流行歌とされる「カチューシャの唄」の装画は、両手を胸に当て、首を傾ける若い女性を描写。東京の風俗を歌ったヒット曲「東京行進曲」では、洋装の女性がリキュールグラスを傾ける。
「宵待草」は2作あり、関東大震災の前後で絵が異なる。震災後は、犠牲者の冥福を祈るように女性がロザリオを身に着けている。
開館5周年の記念企画の第4弾。展示品のうち約260点は、東亜薬品(富山市)の寄託を受けた。同館の夢二に関する企画展は金沢湯涌夢二館(金沢市)の巡回展を開いた昨春以来で、自主企画は初めて。
高岡市立博物館に借りた当時の蓄音機も展示。毎週金、土、日曜の午前11時から30分間、夢二ゆかりの楽曲のレコードを流す。来年1月20日午後2時からは、展示中の楽譜を使った合唱コンサートを開く。
担当学芸員の小林加代子さんは「当時の音楽がどのように楽しまれていたかを感じてもらえたら」と話す。
観覧料は一般400円、大学生300円、高校生以下は無料。火曜定休で、29日~1月3日は休み。(問)高志の国文学館076(431)5492