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【静岡】漁師の丼合戦 静岡の初島

ジャンル・エリア : イベント | グルメ | | 特産 | | 静岡  2018年02月22日

熱海港を出て、初島港に到着した高速船。右手奥には富士山が見える

熱海港を出て、初島港に到着した高速船。右手奥には富士山が見える

朝どれの地魚に目移り

 「首都圏から1番近い離島」と呼ばれるだけに、東海地方の人にはなじみが薄いかもしれない。当の私も初上陸。静岡・熱海港から南東に約10キロ、高速船に乗り約30分で初島に到着した。快晴で本州の方向を見渡すと、雪化粧した富士山の頭がくっきりと見えた。

 初島は年間を通じて温暖な気候。とはいえ冬はそれなりに寒く、この日も強風が吹き付けた。観光客が減少する冬場の起爆剤として、8年前に始まったグルメイベントが「初島漁師の丼合戦」だ。港近くに連なる食堂街で昼時、漁師たちが自慢の丼料理を振る舞う。メジナやタカベといった、朝とったばかりの旬の地魚を使った海鮮丼や、伊豆の名産野菜アシタバの天ぷら丼など16種類。どれを食べようか目移りしてしまう。

 迷いに迷って「木村屋」ののれんをくぐり、金目の煮付け丼を頼んだ。柔らかいキンメダイの身を箸でほぐして口に入れる。つぎ足しの甘辛いたれとの相性は抜群で、ご飯が進んだ。店主の木村哲治さん(37)は他店と切磋琢磨(せっさたくま)し、過去に海鮮丼や富士山の形を模した丼などを提供してきたが「金目丼は好評で、3、4年続けている。丼合戦を始めてから、島を訪れるお客さんも増えた」と話す。

彩り豊かな海の幸などを集めた「丼合戦」の限定丼。各店のこだわりが表れる=いずれも静岡県熱海市の初島で

彩り豊かな海の幸などを集めた「丼合戦」の限定丼。各店のこだわりが表れる=いずれも静岡県熱海市の初島で

 食後のカロリー消費を意識し、腹ごなしに島内を南へ散策した。昔ながらの漁師町の風情を残す初島だが、歩くとリゾートとしての顔が見えてきた。道沿いにアロエや極楽鳥花といった植物が色鮮やかな花を咲かせ、南国に来たような気分になる。一帯は宿泊や入浴施設などを備えた「初島アイランドリゾート」。高台にある「アジアンガーデン」は、ヤシの木が茂り、2月初旬にチューリップが咲いていた。暖かい日にはハンモックに揺られながら島時間を過ごせそうだ。海が一望できる露天風呂「島の湯」も人気という。

 アスレチックや謎解きゲームなど、家族で楽しめる施設も充実。安全器具を着け、木の上にある21個のアトラクションに挑む「SARUTOBI(サルトビ)」に参加してみた。高所は得意な方。身軽に攻略したつもりだったが、翌日には筋肉痛に襲われた。 (古谷祥子)

 ▼ガイド 「初島漁師の丼合戦」は、3月16日まで開催。食堂街の営業時間は午前11時~午後3時ごろ。高速船の往復乗船券とミールクーポンのセット券を、熱海港と伊東港で販売している。大人3410円。「初島アイランドリゾート」施設は、別途入園券などが必要。熱海-初島は1日往復9便運行。富士急マリンリゾート(電)0557(81)0541

(中日新聞夕刊 2018年2月22日掲載)