ジャンル・エリア : 展示 | 石川 | 芸術 2018年04月23日
画家竹久夢二が手掛けた版画やその原画などの展示会「夢二の版画2(ローマ数字の2)」が、金沢市湯涌町の金沢湯涌夢二館で開かれている。7月1日まで。(山内晴信)
大正中後期に夢二が手掛けた木版画の作品や、雑誌の表紙絵、挿絵など92点が並ぶ。恋人の笠井彦乃と同居した時期と重なるためか、女性を題材にした作品が多くそろう。
上流階級の女性を読者に持つ雑誌の挿絵には洋服を身に着けたモダンな女性を描き、男性読者が多い川柳雑誌には魅力的に見えやすい女性の絵を使った。
目を引くのは京都の印刷所「清文堂」で刷った作品「宝船」。西洋風のゴンドラで荒れる海にこぎ出した男性と太夫風の女性を描いた。縦55センチ、横36.5センチの大作で、10色以上を使い、彫師や刷り師の技量も高いことから、夢二の木版画の傑作とされる。
学芸員の川瀬千尋さん(32)は「色の塗りむらがないなど肉筆では出せない表現を追求している。作品を見て夢二の思いを分かってほしい」と話した。
会期中無休。観覧料は一般・大学生300円、65歳以上は200円、高校生以下は無料。午前9時から午後5時半。