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【石川】ボンネット特急 修復完了! 屋外展示 小松で人気

ジャンル・エリア : サブカルチャー | 乗り物 | 展示 | 石川 | 鉄道  2018年05月17日

(上)大規模な修復を終えたボンネット型特急車 (下)両号車案内板などが展示されている車内=いずれも石川県小松市土居原町で

(上)大規模な修復を終えたボンネット型特急車 (下)両号車案内板などが展示されている車内=いずれも石川県小松市土居原町で

資金・部品、鉄道ファンが支援

 流線形で鉄道ファンに人気の旧国鉄のボンネット型特急車両。展示は全国で6両のみで、石川県小松市土居原町の公園にある「クハ489-501」もその一つ。車体側面の修復がこのほど終わり、4月末の初お披露目会には全国からファンが集まった。「乗り物のまち」の小松市で、この車両の存在は大きい。管理する保存会の岩谷淳平事務局長(42)は「廃車だが、この電車は魅力がある」と強調する。(長屋文太)

 車両は1971年製造。41年間、JR北陸線などを「雷鳥」や「白山」として全国を走った後、廃車になった。岩谷さんら小松市の鉄道愛好家が市に働きかけ、2013年にJR西日本から車両を譲り受けた。岩谷さんらは保存会を立ち上げ、管理している。「車両が走っていた当時となるべく同じ条件で展示したい」という思いで、旧国鉄の特急車両で全国で唯一、屋根のない屋外での展示にこだわる。

 車体側面の鉄板に雨水などが入り込み、さびが発生。穴が開くなど保存状態が悪化した。17年秋、クラウドファンディングで寄付金を募ると100万円が寄せられた。市からの補助金と合わせ計200万円で昨年末から足場を組んで修理した。窓ガラスや車両内の座席も一時、撤去。さびた側面の鉄板を切り取り交換するなど大がかりな作業だった。

 修復中、鉄道ファンからうれしい贈り物があった。大阪府の会社員男性(54)が昨年12月、昭和40年代に実際に使われていた車両先頭部に付ける「連結器カバー」を保存会に寄付してくれた。これまでレプリカを使っていたため、現役車両の面影により近づいた。

 お披露目会の4月29日、全国から約150人の鉄道ファンや親子連れが車両見学を楽しんだ。車内には行き先案内や号車案内板などがずらりと並ぶ。「今後は鉄道ファンに足を何度も運んでもらえるよう、グッズや資料を増やし、もう一台車両を設置する構想もある」と岩谷さん。

 4月には特急「あさま」「あずさ」などとして活躍した旧国鉄特急の189系2編成が現役を退くなど、旧国鉄車両の希少性が増している。岩谷さんは「北陸以外の誘客も見込める。鉄道というサブカルチャーを生かした町おこしにつなげたい」と意気込む。

 今年の車内見学は12月8日までの土日曜日と祝日の午前10時から午後4時。一部に休日もある。客席は無料だが、運転席には300円の入場料が要る。(問)事務局090(7087)5011