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【愛知】舞台は大須・万松寺 29日から名人戦第5局

ジャンル・エリア : 愛知 | 文化 | 歴史 | 神社・仏閣  2018年05月28日

将棋の名人戦第5局が行われる万松寺=名古屋市中区で

将棋の名人戦第5局が行われる万松寺=名古屋市中区で

 織田信長ゆかりの寺、名古屋市中区大須の万松寺で29、30両日、将棋の第76期名人戦七番勝負第五局が指される。信長は将棋を好み、「名人」の呼称は信長のひと言が始まりという説もある。対局では佐藤天彦名人に羽生善治二冠が挑み、2勝2敗のタイ。この局の勝者が名人位獲得に王手をかける。

 新天地通商店街に面した本堂の2階の大広間は、真新しいふすまや畳で決戦に備える。寺では当日、周辺の店舗のにぎやかな宣伝やBGMは止めてもらい、さい銭箱も音の響きにくい木製に替えるなど対局を妨げないよう工夫を凝らす。大藤元裕住職(60)は「地域の方の協力があってこそ」と話す。

 寺は1540(天文9)年に信長の父信秀が織田家の菩提(ぼだい)寺として、現在地より北に建立。徳川家康の命で、名古屋城築城にあたり移転した。寺で幼少期を過ごした家康自身も将棋に熱心で、一世名人の大橋宗桂に俸禄(ほうろく)を与えたことが将棋の名人制度の発祥とされる。

 将棋のアマチュア二段でもある僧侶伊藤聖崇(きよたか)さん(26)が開催地の公募を知り、父の大藤住職に提案したのがきっかけ。伊藤さんは過去にも北陸や関西に足を運び、両棋士それぞれの勇姿を見てきたと言い「憧れの名人戦を万松寺で開きたかった」と喜ぶ。

 28日には、寺近くのローズコートホテルで両棋士も出席する前夜祭を開催。記念扇子付きで入場料は1万2000円。大盤解説会はホテルと寺別館の白龍ホールで開く。ホールは2日目のみ。いずれも入場料がかかる。

前夜祭で参加者に配られる記念の扇子

前夜祭で参加者に配られる記念の扇子

 (問)万松寺=052(262)0735

 (佐々木香理)