ジャンル・エリア : 工芸品 | 石川 | 芸術 2018年06月15日
「ものづくり 楽しさ伝えたい」
本紙読者の陶芸作家東元生(しょう)さん(35)が金沢市大樋町の工房「器Labo」で陶芸教室を開いて、15日でちょうど1年を迎える。ヒノキの香りが漂い、木のぬくもりを感じる工房で、生徒と和気あいあいと陶芸を楽しむ東元さん。今後も「ものづくりの楽しさを伝えていきたい」と意気込む。(稲垣達成)
教室には20~70代の生徒20人ほどが通う。薬剤師や看護師などと職業はさまざまだが、半数以上が料理人だという。「料理を提供する食器を作りに来る方が多いですね」。大切にしているのは生徒とのコミュニケーション。「楽しんでもらうために、工房が無音とならないように」。「黙って」と言われない限り、生徒に話し掛けるようにしている。
両親は加賀友禅作家。幼いころから近くで仕事を見ていて「大変そうで、絶対に継ぎたくなかった」。高校卒業後、やりたいことが見つからず、フリーターに。工芸の道も、選ぶつもりはなかった。
そんなある日、親の友人の陶芸作家から陶芸を勧められ、県九谷焼技術研修所(能美市)へ通った。そこで目にした、色鮮やかな絵付けに心奪われた。「ガラスっぽくて華やか。これだったらやりたいと思った」。やってみると「頭でイメージしたものが、自分の手で形になる」。それが楽しかった。
創作しながら、約5年間、金沢市内の陶芸教室でアルバイトをした。もともと人と話すのが好きで、「先生」と呼ばれるのも気持ち良かった。2016年4月に自宅を工房に改修した。「フリーターの時は考えられなかったくらい、今では陶芸にどっぷり漬かっている。次の世代に伝統工芸を継いでいきたい」
陶芸教室の生徒は随時募集している。木曜定休。午後1~8時。(問)器Labo080(9783)0585