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【富山】到着時に落雁、朝食にはタイ… 忠敬来県 手厚くもてなし

ジャンル・エリア : 富山 | 展示 | 歴史  2018年06月20日

伊能忠敬が石川県七尾市の所口で取った食事の献立が書かれた史料=射水市新湊博物館で

伊能忠敬が石川県七尾市の所口で取った食事の献立が書かれた史料=射水市新湊博物館で

新湊博物館で宿の史料展示

 江戸時代後期、日本地図を作るため測量家伊能忠敬(1745~1818年)が富山、石川両県を訪れた際のもてなしの詳細を記した史料を射水市新湊博物館が企画展で公開。歴史好きの人らの関心を集めている。24日まで展示されている。

 これまで忠敬の日記などで1803年7月27、28日に所口(石川県七尾市)に宿泊、8月2日から富山県に6泊したことが分かっていたが、今回の史料で一行を迎えるための食事内容や経費が判明した。

 富山側の宿泊先の一つ、放生津町(射水市)の材木商「柴屋」が所口の宿から聞き取った記録には、所口での献立が書かれている。初日は到着時に落雁(らくがん)を出し、夕食はキスの刺し身を提供。2日目の朝食はタイの焼き魚を、昼食にタイラギの白みそ汁やボラの刺し身、トウガンとカンピョウの煮物などを用意した。

 8月3日から一泊した柴屋でも落雁を出し、食事も同じような品数をそろえた。松山充宏主任学芸員は「できる限りの食材を選んでもてなそうとしたのが分かる貴重な史料」と話す。今回の史料は柴屋の子孫から2年前に寄贈された1万点の古文書類から見つかった。入館料一般310円、65歳以上150円、中学生以下無料。会期中無休。 (山本拓海)