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【愛知】友釣り体験教室

ジャンル・エリア : グルメ | | 愛知 | 自然  2018年07月05日

振草川で釣り上げたアユを手に笑顔の奥田さんと講師の丹羽浩和さん

振草川で釣り上げたアユを手に笑顔の奥田さんと講師の丹羽浩和さん

初挑戦 美味アユをゲット

 美味アユで名高い愛知県東栄町を流れる振草(ふりくさ)川。未経験者でも参加できるアユの友釣り体験教室がある。釣りの中でも、最も難しい部類に入る友釣りだが、手ぶらで参加でき、この川を知り尽くした名手が付きっきりで指導してくれるので安心だ。

 振草川は昨秋、開催されたアユの塩焼きの味比べコンテスト「第20回清流めぐり利き鮎(あゆ)会」でグランプリを獲得。「未経験者にも、おいしいアユを釣ってもらいたい」と、同教室は昨年から同町本郷にある体験型ゲストハウスdanon(ダノン)が企画している。

 友釣りはアユの縄張り性を利用した日本古来の釣り。この日は「5匹釣るのが目標」という同県豊橋市の奥田さん(32)と三重県亀山市の吉本さん(27)が初挑戦。釣り経験はほとんどないという。講師は全国の大会でも活躍する地元の丹羽浩和さん(55)で、ムーミンパパと呼ばれるほど穏やかな性格だ。

 オトリアユや遊漁券を購入し、役場前のポイントで釣り開始だ。仕掛けもサオも用意されている。吉本さんは、糸を緩めてオトリを泳がすと群れに入った。傍らの丹羽さんが「そろそろ、掛かるよ」とつぶやくと、底で20センチ級の2匹のアユがもつれ合って光り輝く。サオが大きく曲がり、アユは右へ左へと泳ぎ回る。吉本さんはひきつった表情で、引き寄せてタモ入れ。続いて、奥田さんにも掛かり、アユをぶらさげて、余裕のポーズだ。奥三河の山里に夏本番の到来を告げる強い日差しと湧き上がる雲がまぶしい。

 河原でランチの後は、アユは掛からず、厳しい時間帯が続く。オトリもばててしまい大ピンチだ。さらに激しい雨まで降って2人とも「釣れないね」とため息。丹羽さんは再びオトリ店に向かい、元気なオトリを購入して戻ってきた。

 雨がやんで雲間から日が差し込むと、状況が変わった。奥田さんが連発モードとなり、6匹目を上げた。1人で取り込みもできるようになった奥田さんは「急に釣れるようになったのでうれしい。アユ魚体もいい感触」と笑顔だった。吉本さんも粘って3匹目を上げて終了した。

炭火でこんがりと焼き上げられる振草川のアユ=いずれも愛知県東栄町で

炭火でこんがりと焼き上げられる振草川のアユ=いずれも愛知県東栄町で

 釣り上げたアユはdanonに持ち帰って炭火で塩焼きにされ、宿泊者にも振る舞われた。あつあつの塩焼きを口に含むと、はらわたまでがクリーミーで甘みがあった。全国一に恥じぬ味だった。「あきらめず、最後まで頑張って良かった」という2人を丹羽さんがにこやかに見つめていた。 (柳沢研二)

 ▼ガイド アユ釣り体験は半日コースが体験料(指導料、道具一式、オトリ、保険料込み)3210円と遊漁料(31日まで2500円、8月1日から2000円、女性・30歳以下1500円)、1日コースは体験料5210円と遊漁料が必要。宿泊者以外はプラス2000円。要予約。danon(電)0536(76)1860。大崎屋旅館などではアユ料理を味わえる。(電)0536(76)0046。JA愛知東東栄直売所では振草川の天然アユを販売している。(電)0536(79)3343

(中日新聞夕刊 2018年7月5日掲載)