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【福井】「海辺のいちご畑」妻の愛情かき氷 4日「大火勢」で販売

ジャンル・エリア : グルメ | 果物 | 福井  2018年07月27日

炎天下のハウスで、まかないのかき氷を味わう酒井輝さん=高浜町和田の「海辺のいちご畑」で

炎天下のハウスで、まかないのかき氷を味わう酒井輝さん=高浜町和田の「海辺のいちご畑」で

 この春開園した高浜町和田の大規模園芸イチゴハウス「海辺のいちご畑」。炎天下のハウスで、“まかない”として食べられている同園のイチゴピューレを使ったかき氷が、おおい町で8月4日に開かれる花火大会「スーパー大火勢(おおがせ)」会場で販売される。

 同園の代表社員酒井輝(ひかる)さん(32)=大阪府八尾市出身=は3年半前、小浜市出身の奈緒さん(35)と結婚し、昨年、高浜町の第3セクターが公募した同ハウスの経営者になった。しかし、イチゴ栽培は試行錯誤の連続。かつて農業法人に勤務していた際に関わったものの、本格的に担うのは初めてで、昨シーズンは育苗が遅れて開園が3月下旬に延び、イチゴ狩りのピークの早春を逃してしまった。

 そんな苦境を助けたのは、いちご大福の名店、小浜市の「志保重」など地域の食品加工者。イチゴ狩りで残されたイチゴは、多くが加工に回った。まかない氷は志保重からの差し入れで、小浜の湧き水が原料。奈緒さんが作って冷凍しておいたイチゴのピューレをかけていただく。

 ピューレはレモン果汁と若干のグラニュー糖を加えただけの、さっぱりと酸味が効いた味。氷をうっかり溶かしてしまっても、そのまま飲み干せるおいしさだ。そんな味を見込んで、志保重がスーパー大火勢で出店するかき氷屋台に出されることになった。

 現在、同園では親株1600株からランナー(ほふく茎)を生やし、苗2万本を育苗する作業に追われている。記者が訪問した25日、作業場は気温35度。土壌を日光干し中のハウスに至っては40度に達した。同園従業員の松井清幸さん(62)は「ちゃんとイチゴが実るよう、今の時季を乗り越え、頑張ろうという気分になるよね」と、まかないのかき氷を称賛する。輝さんは「子育てを任せきりなのに、助けられることを探してくれる」と奈緒さんが作ったピューレの味に感謝。次の春に思いをはせつつ、かき氷を口に運んだ。

 (山谷柾裕)