ジャンル・エリア : 展示 | 歴史 | 石川 | 芸術 2018年08月09日
画き残した原爆体験
戦時中、赴任先の広島で被爆した輪島市出身の医師・故清水正明さん=享年87=が戦争の悲惨さを描いた絵画が並ぶ「広島原爆被爆絵画展」が8日、同市文化会館で始まった。
清水さんは、爆心地から3.5キロの兵舎の中で被爆。当事者として「語らねばならぬ、画(か)き残さねばならぬ」との思いを抱き、戦後に創作活動を始め、戦後50年の節目だった1995年に描きためた油絵を市に寄贈。市では毎年8月に絵画展を開いている。
会場には白煙の中で多くの人が倒れ、がれきが散乱した様子を描いた「阿鼻叫喚(あびきょうかん)」、一瞬で人間が吹き飛ばされた原爆の衝撃を表現した「相生橋」など寄贈された全13点が展示。いずれも焼けただれた皮膚や苦しむ表情がはっきりと描かれ、戦争や原爆の恐ろしさを生々しく伝えている。各作品には清水さんの思いを記した文章が添えられている。
期間は9日と13~17日。入場無料。 (関俊彦)