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【福井】横溝作品の表紙絵並ぶ 越前市で杉本さん特別展

ジャンル・エリア : 展示 | 福井 | 芸術  2018年09月20日

「八つ墓村」など杉本さんが表紙絵を担当した文庫本=越前市中央図書館で

「八つ墓村」など杉本さんが表紙絵を担当した文庫本=越前市中央図書館で

 「金田一耕助シリーズ」など横溝正史の小説の表紙絵を担当した越前市出身のイラストレーター杉本一文(いちぶん)さん(71)にスポットを当てた特別展「杉本一文が描く横溝正史の世界」が、越前市中央図書館で開かれており、推理小説ファンらの注目を集めている。10月31日まで。

 杉本さんは、1971(昭和46)年に横溝の代表作「八つ墓村」の表紙絵を描いたのをきっかけに、その後も「悪魔の手鞠唄」「犬神家の一族」など数々の横溝作品の表紙絵を担当。フリーとして活動後も数々の著名人の作品装画も手掛け、越前市万葉中学校の校章もデザインした。表紙絵が金田一シリーズの映画のポスターにも使われたことや、独特のインパクトある画風から杉本さんの絵のファンも多い。

 特別展では、角川文庫から出版され杉本さんが手掛けた全115点(金田一耕助ファイルシリーズを除く)の文庫本を展示。同じ「八つ墓村」でも9版は抽象的な絵の作品に対し、65版は白い顔のお年寄りを大きく描いてインパクトを与えるなど、版によっても違う杉本さんの世界観を楽しむことができる。

 橋本美帆館長は「有名な作品を手掛けた杉本さんが越前市出身ということは知られていない。今後も講演会や原画展なども検討していきたい」と話した。

 (山内道朗)