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【石川】コザラシ 先人の技 トチの実のあく抜き体験

ジャンル・エリア : イベント | グルメ | 石川  2018年10月10日

煮たトチの実の味見をしたり、きねでつぶしたりする参加者

煮たトチの実の味見をしたり、きねでつぶしたりする参加者

白峰 強烈な苦味→甘みやうま味

 白山市白峰で行われていたトチの実のあく抜き法「コザラシ」を体験するイベントが、白峰の県白山ろく民俗資料館内にある古民家、旧杉原家住宅であった。トチの実を食べるための先人の技や知恵を参加者が学んだ。(鴨宮隆史)

 イベントは初めて開かれ、同館の本田秀生さんが講師を務めた。水に漬けて2時間以上煮たトチの実を、臼に入れてついた。この段階で味見した参加者は「口に入れるとほんのり甘みを感じたが、すぐに強烈な苦味が出てきた」と話していた。

 ついたトチの実をふるいに入れて水をかけ、皮を取り除いた。さらにサラシ布に入れて流水にさらし、2、3日するとあくが抜けるという。体験では苦味を抜いたものを用意し、水をしぼって仕上げた。

 できあがったペースト状のトチの実を参加者が試食し、夫婦で参加した金沢市泉野町の男性(69)は「ねっとりとした食感。味は薄めだが、ほんのりと甘みやうま味を感じた」と語った。本田さんは「トチの実のあく抜きにはいろいろ方法があるが、コザラシはその中で最も簡単な方法。ただ大量の水が必要なため、白峰では秋と春にできる時期が限られていた」と説明していた。

 同館では11月25日まで、秋季企画展「トチの実を食べる」が開催中で、イベントは関連イベントとして開かれた。トチノキにできるこぶで作った鉢やひしゃく、トチの実に関する写真など約70点を展示している。最終日にはトチ餅つきを予定している。

サラシ布をしぼって仕上げる参加者ら=いずれも白山市白峰で

サラシ布をしぼって仕上げる参加者ら=いずれも白山市白峰で