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【岐阜】「大修理」終え新たな一歩 垂井の南宮大社、2日から式年遷宮祭

ジャンル・エリア : まつり | 岐阜 | 文化 | 歴史 | 神社・仏閣  2018年11月01日

改修工事を終え、式年遷宮祭が営まれる南宮大社=垂井町宮代で

改修工事を終え、式年遷宮祭が営まれる南宮大社=垂井町宮代で

 美濃国一宮として知られる垂井町宮代の南宮大社で2~4日、50年に一度の儀式「式年遷宮祭」が営まれる。10年以上に及んだ「平成の大修理」を終え、新たな歴史を歩み始める。

 南宮大社は紀元前の崇神天皇の時代に創建されたとされる。1600年の関ケ原の戦いで焼失したが、42年に江戸幕府の3代将軍徳川家光が7000両(現在の価値に換算して約21億円)を寄付して再建したと伝わる。

 江戸時代初期の神社建築の様式を残し、正面の楼門をはじめ朱塗りの高舞殿、拝殿などの社殿、石鳥居など18棟が国重要文化財に指定されている。鉱山をつかさどる金山彦命(かなやまひこのみこと)を祭り、金属業の総本宮として信仰を集めている。

 式年遷宮は定められた年月ごとに新たな社殿に神体を移す儀式。南宮大社では古来、20年ごとに営まれていたが、室町時代から50年ごとに変わった。15世紀の儀式から記録に残り、近年では戦時中に中断し、直近は1973年11月に挙行された。

 大社では2000年ごろから社殿の老朽化が目立ち始めたため、06年に大規模な改修工事を開始。文化財18棟のうち15棟が対象で、08年には神体のある本殿の修復を前に、神体を仮殿に移す遷座式が営まれた。

 建物のゆがみを直したほか、穴が開くなど傷みの出た社殿の檜皮(ひわだ)屋根は地元のヒノキを使ってふき替えた。参拝者が渡る石平橋は解体修理し、拝殿前の階段には手すりを設置。参拝者用トイレも新調した。一定の工事が完了したことで、前回の実施から50年を前に式年遷宮祭の挙行が決まった。

 2日午後7時、仮殿から本殿へ神体を移す遷座祭で始まる。3、4日には境内や周辺でみこしの渡御があるほか、午後2時からは各日500人ほどの子どもたちが大鳥居から本殿へ歩く稚児行列がある。午後4時からは境内横駐車場で餅まきを予定する。

 各地の伝統芸能の奉納もあり、3日には地元の宮代太鼓と宮城県石巻市の釣石神社の「法印神楽」、4日には県無形民俗文化財の表佐太鼓踊りと高山市の飛騨一宮水無神社の「闘鶏楽」が披露される。

 式年遷宮実行委員長の丹羽豊次さん(78)=同町宮代=は「地元の人は南宮さんとともに育ち、生活の中で一番大切に守ってきた。氏子総出で盛り上げて、一生忘れない祭りにしたい」と願う。(問)南宮大社=0584(22)1225

 (芝野享平)