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【石川】九谷焼で能美電車両 「陶芸村まつり」の目玉に

ジャンル・エリア : まちおこし | まつり | 展示 | 工芸品 | 石川 | 鉄道  2018年11月01日

レトロな雰囲気が漂う九谷焼製の能美電の車両模型=能美市泉台町のマルサン宮本本店で

レトロな雰囲気が漂う九谷焼製の能美電の車両模型=能美市泉台町のマルサン宮本本店で

マルサン宮本本店で展示

 2~4日に能美市の九谷陶芸村で開かれる「九谷陶芸村まつり」に客を呼び込もうと、陶芸村内の九谷焼製造販売店「マルサン宮本本店」の宮本繁社長(68)が、1980(昭和55)年に廃線となった北陸鉄道能美線(通称・能美電)の車両模型を九谷焼で作り、店に展示している。宮本社長は「完成品を目にしたら懐かしさが込み上げた。能美電世代や鉄道ファンにはたまらない」とPRしている。

 大きさは長さ24センチ、幅5センチ、高さ4.5センチ。同市の九谷焼作家佐藤剛志さん(53)に依頼し、同市倉重町に保存されている車両をモデルに作ってもらった。クリームとオレンジのカラーは、あえてくすませ、レトロな雰囲気を漂わせた。

 模型は鉄道模型規格「Nゲージ」の台車に乗せて走らせることができる。佐藤さんは「成形した素地は焼き上げると15%ほど縮んでしまう。大きさの調整が難しかった」と苦労を語る。

 能美市を東西に貫く能美電は25(大正14)年に開通した。地域住民の足として親しまれたが、自動車の普及などで廃線となった。

 宮本社長も利用者の一人だった。「幼いころは母親と乗ったし、高校時代は通学で使った。自分にとっては、いつもそばにいた同級生のような存在」と語る。廃線当時は何も思わなかったが、「最近は車両を見るたびにノスタルジーを感じる。そういう年ごろになった」と笑う。

 宮本さんは今後、能美電の駅舎も九谷焼で作り、店内にジオラマを築く構想を描く。「陶芸村の誘客につながればうれしい」と期待している。 (吉野淳一)