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【三重】松坂城430年の特別展 歴史民俗資料館

ジャンル・エリア : 三重 | | 展示 | 歴史  2018年11月13日

氏郷の肖像画や書状などが展示された会場=松阪市殿町の市歴史民俗資料館で

氏郷の肖像画や書状などが展示された会場=松阪市殿町の市歴史民俗資料館で

 開館40周年を迎えた松阪市の市歴史民俗資料館で特別展「松坂城1588~2018~天下人も認めた武将 氏郷の城~」が開かれている。430年前に蒲生氏郷が築いた松坂城は、かつて高石垣に瓦屋根のやぐらや天守を備えた、安土城(滋賀県)や大坂城(大阪市)と同じ近世城郭。築城から城主不在の時代、公園になった近代まで、移り変わりを知れる資料150点が並ぶ。来年2月17日まで。

 城主がいた時代の展示では、氏郷の肖像画や家臣に宛てた文書をはじめ、本能寺の変の後、織田信長の妻子を保護した氏郷の様子が記された「信長公記」や、豊臣秀吉が獲得した領地を氏郷に与えようとする場面がある「北畠物語」など、天下人が認めたことを示す資料が並ぶ。氏郷の後に城の主となった四代目までの武将も紹介されている。

 松坂が紀州藩領になると、城も藩の管理下に置かれ、城主がいなくなった。城主不在でも鉄砲や弓などの武器があったことを示す「松坂城御城附御武具改帳控」や、石垣や門など、城として必要な最小限の機能が維持されていたことがわかる「服部家文書」もある。

 明治時代の廃藩置県で廃城となった後は「松坂公園」として整備された。当時の写真と現在の写真を比べて見ることができる。1950年以降に設置されたサル舎やクマ舎、恐竜の巨大模型など、公園として親しまれていた様子も分かる。

 現在、進められている石垣の修復工事前の発掘調査で出土した鬼瓦なども並ぶ。文様などから安土桃山時代のものとみられ、当時市内にあった松ケ島城が松坂城に移築されたという説の根拠とされる。

 館長の川口朋史さんは「氏郷が織田や豊臣といった天下人と関わりが強い武将だったことが分かる。今までスポットが当てられていなかった明治時代以降の展示もあるので、ぜひ見てほしい」と話している。入館料は100円。小中高生は50円。

 (清水悠莉子)