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【三重】「天空」と溶け合う英虞湾 三つの展望テラス 志摩市

ジャンル・エリア : 三重 | | | 自然  2018年11月15日

伊勢志摩国立公園について学べる横山ビジターセンター

伊勢志摩国立公園について学べる横山ビジターセンター

 三重県志摩市の横山展望台とその周辺に今夏までに三つの展望テラスが整備され、英虞湾の島々が一望できる観光スポットとして人気を集めている。晴天の日が多く、空気の澄む冬場、三つのテラスを巡る、お手軽な散策がおすすめだ。

 起点となる横山ビジターセンターに着くと、日曜とあって駐車場はいっぱいで、10分ほど待った。同センターで地図をもらい、石組みの遊歩道を上る。ウバメガシなどの常緑広葉樹が生い茂る森で、視界はほとんどない。前を行く年配夫婦らとともに手すりにつかまり、息を整えながら一歩ずつ上る。

 500メートルほど歩くと、一つ目のテラスに着き、一気に視界が開けた。ここは横山展望台の「天空カフェテラス」。床板には同県産のヒノキが使われ、どこでも腰を下ろしてくつろげる。眼下には英虞湾に浮かぶ約60の島々が一望できる。伊勢志摩サミットの会場となったホテルも間近だ。このリアス海岸は半島や島が複雑に入り組んでいて、迷路のようだ。それを縫うように小さな船が行く。テラスは斜面に立てられ、南に向かって張り出しているのも開放感があっていい。

英虞湾の島々が一望できる横山展望台の天空カフェテラス

英虞湾の島々が一望できる横山展望台の天空カフェテラス

 隣接する木造2階の展望休憩所では、伊勢志摩の食材を使ったスイーツやドリンク、ハンバーガーなどを販売。中には、いすもあって、志摩ソフトクリームなどを手に2階からも景色を眺めることができる。50人以上はいたが、広々としたスペースなので、ゆったりできる。

 さらに数十メートル行くと「木もれ日テラス」がある。ここは木のカウンターに座り、飲食もできる。ケヤキやスダジイの木陰で肩を寄せ合いながらたたずむカップルや夫婦がいた。さらに尾根を200メートルほど行くと「そよ風テラス」。三つのテラスの中で最も高い標高170メートルの場所にあり、お弁当を広げる家族もいて、「床が木だと、温かみがあって、ほっこりできますね」と笑顔。

 この三つのテラスに加えて、さらに足を延ばせば、「あご湾展望台」と「みはらし展望台」もある。横山ビジターセンターから往復約2キロで、数時間かけてゆっくり散策できる。持参した双眼鏡をのぞくと、カキいかだの上で作業をする人影があった。志摩の海の営みにもふれることができた。 (柳沢研二)

カフェもある横山展望台の展望休憩所=いずれも三重県志摩市で

カフェもある横山展望台の展望休憩所=いずれも三重県志摩市で

 ▼ガイド 横山ビジターセンターは午前9時~午後4時半で年中無休。伊勢志摩国立公園の自然や地域文化などについての展示がある。入場無料。駐車場(無料)は同センター前と北側、横山展望台にある。(電)0599(44)0567

(中日新聞夕刊 2018年11月15日掲載)