ジャンル・エリア : 展示 | 愛知 2018年12月12日
平成最後の年を前に、豊橋市羽根井町の市中央図書館で、平成元年以降に一世を風靡(ふうび)した本約100冊を集めた特別棚が設置された。小渕恵三内閣官房長官(当時)が新元号を「平成」と発表した1989年1月7日の会見と同じ構図で記念写真が撮れる特設ブースも登場し、話題となっている。
特別棚「平成クロニクル」は、ブーム時には借りられないほど人気になったものの、その後は書庫などに入って読まれることが少なくなった蔵書を通じて平成を振り返ってもらおうと企画。
「五体不満足」や「バカの壁」「国家の品格」「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」など、一時期は社会現象にまでなった本が並ぶ。
特設ブースには机と額縁入りの平成の書、会見用マイクを用意。発案者の図書館司書、塩崎洋子さん(56)は「バブルの終わりとともに始まった平成はおとなしい時代だったようにも思えるが、本や写真でいろいろなことを思い出してほしい」と話し、年賀状写真としての利用もおすすめしている。
1歳の息子と写真撮影に訪れた豊橋市花田町の会社員(33)は「息子は年号をまたいだ記憶は残らないかもしれないので、大きくなったらこの写真を見せてあげたい」と話した。特別棚と特設ブースの企画は年末まで続けられる予定という。
(五十幡将之)