ジャンル・エリア : まちおこし | 静岡 2019年02月25日
下田市が2018年度からテレビ番組や映画などのロケ誘致に力を入れている。これまで複数あった窓口を市役所に一本化、きめ細かい対応に努めた結果、今年1月の段階で前年度のロケ収録数を上回った。市は人気俳優出演の話題作などの収録地を紹介するマップを作製、観光客の周遊促進を期待している。
市は昨年4月に市観光交流課内に「市ロケーションサービス」を開設した。従来は市内各地域の観光協会などが個別にロケの協力依頼や相談に対応していたが、同課に窓口を一本化。地元への協力依頼やエキストラの手配、重機などを用いる大掛かりな収録で生じる許可関係の処理など、事前手続きの迅速化を図った。
宿泊施設やロケ弁当の手配なども、これまで以上にきめ細かく地元と連携して対応。その結果、17年度の収録本数は75件だったが、本年度は1月末現在で79件に達した。
市によると訪れたロケ班の評判は上々といい、担当職員は「ロケ誘致に力を入れて露出が高い熱海市などに比べて後れを取っていたが、撮影のスタッフからは下田の海や街並みを評価してもらっている」と話す。
市はロケ効果の機運を観光客の誘致につなげようとロケ地のマップを作製した。昨秋上映の映画「ビブリア古書堂の事件手帖」で主演の黒木華さんと野村周平さんが実際にロケ収録した旧市街地や、昨年4月に世界認定された伊豆半島ジオパークの見どころの一つで、一昨年放送のスペシャルドラマ「地味にスゴイ!DX 校閲ガール・河野悦子」で石原さとみさんと菅田将暉さんが収録に臨んだハート形に見える洞窟「龍宮窟(りゅうぐうくつ)」などの撮影地を地図や写真を交え紹介。下田名物のキンメダイのしゃぶしゃぶや海鮮丼を提供する店舗などグルメ情報も盛り込んだ。
マップはA3判カラー二つ折りで3万部を作製。市役所や市内の宿泊施設、伊豆急下田駅、横浜市内の伊豆半島アンテナショップなどで配布中だ。市観光交流課は「マップを手に取って観光客にロケ地巡りを楽しんでほしい」としている。
(中谷秀樹)