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【滋賀】時代の顔、表情豊か 東近江で「ひな人形めぐり」

ジャンル・エリア : 展示 | 工芸品 | 文化 | 近畿  2019年03月01日

清湖雛の新作「唐崎の夜雨」=東近江市五個荘地区の中江準五郎邸で

清湖雛の新作「唐崎の夜雨」=東近江市五個荘地区の中江準五郎邸で

 東近江市五個荘地区一帯で、恒例の「商家に伝わるひな人形めぐり」が開かれている。江戸時代から現代までのひな飾り110組が9会場で楽しめる。21日まで。

 中江準五郎邸には、地区内で創作活動する人形師東之湖(とうこ)さんの創作びな「清湖雛(せいこびな)」29点を展示。2005年から毎年寄贈されている作品で、近年は近江八景をモチーフにした作品が続いている。今年の「唐崎の夜雨(やう)」で七景がそろった。同作は唐崎神社(大津市)の大きな松の木に夜、雨が降り注ぐ情景を、歌舞伎の女形をイメージしたたたずまいや衣装で表現している。

 外村宇兵衛邸では、約150年前に作られた御殿飾りが見られる。外村家に代々受け継がれ、毎年公開されてきたが、今年のひな人形めぐりに合わせて、同家六代目当主の外村市郎さん(78)から市に寄贈された。高さ130センチ前後の2つの御殿を中心に、こまやかな装飾が光る人形13体が配置され、にぎやかな雰囲気だ。

 他にも、古代から宮廷などで催された「曲水の宴」をモチーフにした飾り(外村繁邸、晴天時のみ)や、市内の切り絵作家奥居匡さんのひな祭りにちなんだ作品(観峰館)など、会場ごとに趣向を凝らした展示が並ぶ。五個荘近江商人屋敷の河内源章館長は「時代の異なる、バリエーション豊かなひな飾りが見られる。古い文化と新しい文化の共存を楽しんでほしい」と来場を呼び掛ける。

 11日は休み。入館料は会場ごとに違う。(問)五個荘観光案内所=0748(48)6678

 (小原健太)

約150年前に作られた御殿飾り=東近江市五個荘地区の外村宇兵衛邸で

約150年前に作られた御殿飾り=東近江市五個荘地区の外村宇兵衛邸で