ジャンル・エリア : 工芸品 | 生き物 | 石川 2019年03月18日
九谷焼のホタル 夜も輝く
JR金沢駅西広場の地下道にある庭園がリニューアル工事を終え、完成式が17日、同所で開かれた。新たな名称は「やまほたるの庭」。ホタルやカエルをかたどった九谷焼の作品や植物、発光ダイオード(LED)の光などを組み合わせ、24時間楽しめる庭が誕生した。(寺田結)
一見、植物が植えられているだけに見えるが、「生き物」が隠れている。小さなカエルやバッタが5匹。黄色の光を1日中ゆらゆらとさせているのは、14匹のホタルだ。
これらは、庭の名付け親で、デザインを担当した金沢美術工芸大の高橋治希准教授が仕上げた九谷焼の作品だ。全て医王山で暮らす生物で、医王山に自生するヤマモミジ、ヤマツツジなども新たに植えた。LEDで照らされた柱の溝にも九谷焼で作った草花が並ぶ。
庭は市が整備した。78平方メートルで天井がなく、時間によって日光の差し込み方が変わる。保水性が高い戸室石(とむろいし)で竹を模した作品は、コケで緑色に染まる可能性もあるという。高橋さんは「庭は24時間365日、いつ見てもさまざまな風景が見られるところ」と話し、「ただ見るだけでなく、発見を楽しんでほしい」と呼び掛けた。
庭をのぞき込んでいた金沢市小立野小学校3年の女子児童(9つ)は「バッタとカエルを見つけたよ。あれ」と指をさし、にっこり。同級生の上山まはろさん(9つ)は「パパとママと夜にも来る。ホタルがどう光るか見たいな」と話した。