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【滋賀】国宝「曜変天目」を公開 甲賀の美術館で春季特別展

ジャンル・エリア : 展示 | 工芸品 | 文化 | 歴史 | 神社・仏閣 | 近畿  2019年04月01日

国宝「曜変天目」=甲賀市信楽町田代のMIHO MUSEUMで

国宝「曜変天目」=甲賀市信楽町田代のMIHO MUSEUMで

 甲賀市信楽町田代の美術館「MIHO MUSEUM」で、春季特別展「大徳寺龍光(りょうこう)院 国宝曜変天目と破草鞋(はそうあい)」が開かれている。1606(慶長11)年の龍光院建立以来、400年以上にわたって守り伝えられてきた国宝「曜変天目」などの名宝を、一挙に公開している。

 龍光院は臨済宗の大本山・大徳寺(京都市北区)の塔頭(たっちゅう)(敷地内の小院)。黒田長政が父の如水(官兵衛)の菩提(ぼだい)を弔うために、江月宗玩(こうげつそうがん)和尚を実質的な開祖として建立した。江月和尚は「天王寺屋」を営んだ堺の豪商・津田宗及の次男で、伝わる茶道具などは、その遺品も多いといわれる。院には高松宮好仁親王や小堀遠州、松花堂昭乗ら一流の文化人が集い、寛永文化の発信地になった。

 拝観を受け付けていない龍光院の貴重な品々を、一度に見られる絶好の機会という。小堀月浦(げっぽ)住職の協力で、国宝4点、重要文化財(重文)8点を含む203点を、展示替えしながら5月19日まで紹介する。

 曜変天目は、南宋時代(12~13世紀)に中国福建省の建窯(けんよう)で焼かれ、日本に伝わった。現存するのは世界でも日本の国宝の3碗(わん)しかないという。透明感のある黒釉(こくゆう)を背景に、銀色や黄白色を帯びた大小の斑文がちりばめられている。南宋時代の禅僧・密庵咸傑(みったんかんけつ)の墨蹟(ぼくせき)(国宝)や、琉球漆器の螺鈿(らでん)唐草文天目台が付いた中国・金時代(12~13世紀)の油滴天目(重文)も目を引く。

 4月29日、5月6日を除く月曜日と、4月30日、5月7日は休館。入館料は大人1100円、高校・大学生800円、小中学生300円。期間中には、龍光院の宝物や建築に関する講演会や、院で定期的に開かれている茶会、座禅会などの行事も同館で催される。(問)同館=0748(82)3411

 (築山栄太郎)