ジャンル・エリア : 展示 | 歴史 | 甲信越 2019年05月06日
諏訪市豊田の小丸山古墳(6世紀末)で出土した副葬品のうち、2018年度にさびを落として保存処理した41点を市博物館で公開している。馬具を中心に展示し、県内で初めて確認された鏡板(かがみいた)の破片もある。26日まで。
鏡板は、手綱を引くために馬の口にかませる「くつわ」のずれを防ぐ道具。今回の保存処理で新たに「金銅装十字文透心葉形(こんどうそうじゅうじもんすかししんようけい)鏡板」の破片が出土していたことが判明した。ハート形に近い透かし構造の鉄製で、破片からも金メッキが施されたことが分かる。この鏡板の出土は県内初で、全国でも十数例という。
金銀で装飾された馬具は権力や財力を誇示するためとされる。学芸員の児玉利一さんは「金銅装十字文透心葉形鏡板は、いずれも高い地位にあった者の墓から見つかっている。大和王権の工房で一元的に作られたのでは」と推測。小丸山古墳の被葬者は、他地域の豪族や集団と交流をもった有力者と考えられるという。
青銅製の馬鈴は、コンピューター断層撮影(CT)の画像とともに展示し、内部の構造や製造工程を紹介している。
午前9時~午後5時(月曜、祝日の翌日休み)。入館料は一般300円、小中生150円。12日午後1時半、児玉さんが報告会を開く(申し込み不要)。(問)博物館=0266(52)7080
(中沢稔之)