ジャンル・エリア : 展示 | 工芸品 | 石川 2019年05月15日
室町から江戸時代に鋳物業で栄えた穴水町中居の能登中居鋳物館で14日、初企画の特別イベント「米田孫八家所蔵展」が始まった。温めた酒を注ぐ道具「燗鍋(かんなべ)」64対をはじめ貴重な展示の数々を楽しめる。6月2日まで。(田井勇輝)
米田孫八家はかつて地元の鋳物師だった名家。代々、全国から集めたという鉄や銅、木製の燗鍋には松竹梅や竜、キク、鶴や亀といった縁起物の絵や模様が描かれ、味わい深い。ほかに、数多くの粒模様が施された鋳物らしい「あられ紋」も目にできる。
釜師の宮崎寒雉(かんち)が手掛けたとされる立口富士形釜(たちくちふじびがま)(町指定文化財)や紙本水墨雲龍図(同)、ちょうちんやのれんなど約10点も飾られている。
能登中居鋳物保存会の下出源一会長(68)は「燗鍋をたくさん並べると圧巻の景色となった。米田孫八家がどのような思いで作品を集めたかという思いをくんでもらえればうれしい」と来場を呼び掛ける。
開館は午前9時から午後5時まで、最終入館は午後4時半。入館料は一般300円、小中高生150円。休館日は月曜。加賀藩の釜師として活躍した中居地区出身、初代寒雉に思いをはせる茶会(参加の予約は終了)が同地区で催される5月19日は入館無料。(問)能登中居鋳物館0768(56)1231