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【愛知】手軽にキャンプたき火満喫 休暇村伊良湖 田原市

ジャンル・エリア : その他 | 愛知 | 自然  2019年05月16日

隣のサイトとは灌木で仕切られ、ある程度のプライバシーが確保されている

隣のサイトとは灌木で仕切られ、ある程度のプライバシーが確保されている

 テントの隙間から差し込む朝の光に目を覚ますと、時代は令和になっていた。平成を見送る改元の夜を、僕は独り、キャンプ場で迎えた。

 久しぶりにキャンプに行ってみようか。そう思いついたのはゴールデンウイークの少し前だった。子どもが小さいころは家族3人で、または友人家族とキャンプやバーベキューをした。子どもが大きくなってからは行く機会もなくなっていたが、テレビでキャンプ番組を見てふとたき火を眺めたくなった。

 平成最後の日は雨だった。愛知県の渥美半島の先端、田原市にある休暇村伊良湖オートキャンプ場に向かう道中、ずっと降っていた。やむだろうか。それだけが気掛かりだった。

 久々とあって、手軽な「手ぶらでキャンプパック」を申し込んでおいたので、雨にぬれながら作業することはない。テントもタープ(日差しよけシート)も張ってあり、バーベキューの食材や炭、毛布、さらにホテルの朝食券や入浴券まで付いている。ただ、雨が落ちてこない空の下、たき火を楽しみたい。

バーベキューを楽しむ人たち

バーベキューを楽しむ人たち

 夕方、炭をおこす時間になると幸い、雨は上がってくれた。火おこしは7年ぶりくらいか。着火剤の火を小さな炭に移し、うちわであおぐとやがて大きな炭も赤く照り始める。炭の量を増やして火が安定してきたら食事の時間だ。大アサリに牛肉、ウインナー、タマネギなどを順に焼いて、アツアツを口に放り込む。流し込むのはもちろん、しっかりと冷やしてきたビールの役目。至福の時間だ。

 ラジオを付け、天皇陛下(現・上皇)の最後のお言葉のニュースなどを聴く。ゆったりとした気分だ。もう周りは暗い。唯一と言っていい持参品、たき火台を開く。まだ赤く、熱い炭をその上に移し、まきをくべると徐々に燃え始めた。まきを増やす。炎が上がる。炎はゆらめきながら昇っていく。時折、パチパチという音を立てる。竜巻のようにくるくると回る炎が出てくることもある。飽きない。この日のために買った平たいチタン製スキットル(小型水筒)を取り出してバーボンを飲む。火と夜、酒しかない世界。ぜいたくの極みだ。二口、三口…。暗闇の中に意識が溶けていく。

ゆらゆらと、柔らかくゆれるたき火の炎=いずれも愛知県田原市の休暇村伊良湖オートキャンプ場で

ゆらゆらと、柔らかくゆれるたき火の炎=いずれも愛知県田原市の休暇村伊良湖オートキャンプ場で

 朝、テントから出て水を飲んだ。そうか、もう令和か。のどを潤すうち、思い出したのは少し前に平成を振り返る記事で見た写真だ。両陛下が海に向かい、戦没者のために黙とうされている。平成は戦争のない時代だった。今の子どもたちが生きる令和もそうあってほしい。新しい時代の初めての朝、柄にもなく、そんなことを考えた。 (金森篤史)

 ▼ガイド 休暇村伊良湖へは、豊鉄バスで「豊橋駅前」から「休暇村」まで1時間半強。車の場合、豊橋市内から国道259号などを通り、1時間10分。夫婦と子ども1人で「手ぶらでキャンプパック」を利用する場合、1万5500円から。休暇村伊良湖は(電)0531(35)6411

(中日新聞夕刊 2019年5月16日掲載)

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