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【長野】木祖の空き家で地域の魅力表現 木曽ペインティングス、6月にイベント

ジャンル・エリア : まちおこし | イベント | 展示 | 甲信越 | 芸術  2019年05月17日

展示会場の空き家を訪れる(左から)菅野さん、大沢さん、奥谷さん、岩熊さん=木祖村藪原で

展示会場の空き家を訪れる(左から)菅野さん、大沢さん、奥谷さん、岩熊さん=木祖村藪原で

 木祖村藪原の空き家となっている古民家で作品を展示するアートイベント「夜明けの家」が、来月6日から22日まで開かれる。県内外から26人の芸術家が参加し、失われつつある宿場町の景観と現代アートを組み合わせて地域の新しい魅力を表現する。

 主催の木曽ペインティングスは、画家の岩熊力也さん(49)と村地域おこし協力隊員の大沢理沙さん(23)を中心に活動。2017年から木曽郡内で同様のイベントを開催している。

 今回は、同村の藪原宿内で空き家になっている古民家5軒を利用して、芸術家たちが油絵や空間芸術を展示する。芸術家たちは、空き家の掃除などの準備作業をしながら、作品の構想を練っている。

 武蔵野美術大4年の菅野由紀さん(36)は、かつて伝統工芸のお六櫛(ぐし)を作っていた空き家で作品を展示する。お六櫛に使われる木の端材を使う予定で、「端材で空き家の空間を演出し、お六櫛を作っていた時代の記憶を呼び起こしたい」と話す。

空き家の庭で作品を制作する奥谷さん=木祖村藪原で

空き家の庭で作品を制作する奥谷さん=木祖村藪原で

 多摩美術大4年の奥谷風香さん(22)は同村出身で、放置されていた物干しざおなどを使い、山々に囲まれた故郷の風景を空き家の庭に再現する。空き家にあった家具や掛け軸などを利用して屋内でも作品を飾るという。

 初日の6日には、同村に滞在したことがある画家藤田嗣治の仮装をする「フジタパレード」を開催。芸術家や住民らが、藤田のトレードマークである丸眼鏡とちょびひげを着けて村内を歩く。

 また、出展予定の芸術家3人がラベルをデザインした湯川酒造店(同村藪原)の代表銘柄「木曽路」を期間中に村内の酒販店で販売する。ほか、8、9、15、16、22日には、街道沿いで住民グループの楽器演奏会や素焼きの器の絵付け体験、お六櫛の実演などが開かれる。

(中田弦)