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【石川】カラフルケーキ チョコっと産地支援 鞍月 あす専門店開店

ジャンル・エリア : まちおこし | グルメ | 石川  2019年05月21日

【上】カラフルなチョコを使ったガトーショコラ【下】「少しでも多くの生産者を助けたい」と話す和田知晃さん(右)と、パティシエの若田順也さん(中)、神佐悠子さん=いずれも金沢市鞍月で

【上】カラフルなチョコを使ったガトーショコラ【下】「少しでも多くの生産者を助けたい」と話す和田知晃さん(右)と、パティシエの若田順也さん(中)、神佐悠子さん=いずれも金沢市鞍月で

 海外の貧しいカカオ農家と適正な価格で取引して支援するフェアトレードに協力するガトーショコラ専門店が22日、金沢市鞍月にオープンする。赤や黄、緑色とカラフルなチョコレートを使い、写真映えするケーキなどを用意。新たな金沢の名物を目指す。(寺田結)

 店名は「Kuroneco Jack(クロネコ ジャック)」。ギフト向けの手のひらサイズのケーキや、ガトーショコラの中に果物のジュレやチーズケーキを入れた「びっくり箱」のようなケーキなどを並べる。

 カカオ生産者の支援に取り組む製菓・製パン材料メーカーのピュラトスグループ(本社・ベルギー)の製菓用チョコレートを使うことで、支援につなげる。1キロごとに購入額の約0.6~1%が生産者に還元される。

 同社の日本法人によると、カカオ農家が得ている収入は販売額の約6.6%にとどまり、生活苦から人数も減っている。同社は生産者と直接契約し、適正価格での取引や栽培の技術指導をする独自の「カカオ・トレース」に取り組んでおり、収穫量は2~3倍に増加。品質や買い取り価格も上昇し、昨年9月時点でコートジボワールやベトナムなど4カ国約8700人の生産者と契約している。

 支援は、製菓材料の卸業者から同社を紹介されたのがきっかけ。店を運営するゼロスター(金沢市)代表取締役の和田知晃さん(39)は初めて、カカオ農家の貧困問題を知った。「知った以上は放っておけない。やるなら、100%使おう」。パティシエも共感し、すぐに決まった。

 通常のカカオより少し価格は高いが、ガトーショコラは冷凍で保存ができるため、廃棄せず使い切ることができる。パティシエの若田順也さん(40)は、アイスと混ぜてシェイクにすることも検討している。「ケーキはぜいたく品。世界にはご飯が食べられない子もいるのに、たくさんの廃棄をしてきた」。目をそらしてきたことに向き合い、生産者への敬意を大事にしているという。

 店はキッチンが見える造りで、パティシエは店頭にも立つ。その1人、神佐(かんざ)悠子さん(30)は語る。「元気をもらえる店にしたい。自分も笑顔でいないと」