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【兵庫】人懐こい羊にほっこり 六甲山牧場 神戸市灘区

ジャンル・エリア : グルメ | 動物 | 自然 | 近畿  2019年05月30日

毛を刈られた羊たちが、黙々と草を食べる様子もほほ笑ましい

毛を刈られた羊たちが、黙々と草を食べる様子もほほ笑ましい

 癒やしを求めて、かわいい動物たちとの触れ合いに出掛けた。

 神戸市灘区の六甲山牧場は、スイスの山岳牧場をイメージして作られた観光牧場だ。公共交通機関で牧場へ行くには3通りの行き方があるが、私は、三宮からバス、摩耶ケーブル、ロープウエー、バスを乗り継いだ。1時間以上はかかるが、摩耶ケーブル、ロープウエーから眺める絶景は、アクセスの悪さを帳消しにする。道中、新緑の向こうに神戸市内を一望でき、これだけで帰ったとしても満足できると思った。

 牧場の一般開放ゾーンは23.4ヘクタールで、甲子園球場約6個分の広さ。北欧風の畜舎、赤れんがのサイロなど、牧歌的な風景が広がる。飼育されているのは羊、ヤギ、乳牛、馬、ウサギ、牧羊犬、アヒルという7種類の動物たち。

 中でも羊は150匹ほどが牧場内で自由に放牧されていて、そこらじゅうにいる。後ろに下がって誰かにぶつかったと思い、すいませんと言ったら、大きめの羊だった。自分で笑ってしまった。2月から4月にかけて赤ちゃん羊が55匹誕生していて、メーメーとかわいい鳴き声が聞こえる。牧場スタッフの投野久美さん(35)は「子羊がメーメーと鳴いているのは、はぐれた母親を探している時なんです」と教えてくれた。

牧場を眺めながら、チーズフォンデュが楽しめる=いずれも神戸市灘区で

牧場を眺めながら、チーズフォンデュが楽しめる=いずれも神戸市灘区で

 人慣れしている羊たち。目が合ったかわいい子羊を触ってみた。毛はフワフワではなく、わりとしっかりして弾力がある。なでていても、全く逃げない。癒やされることこの上ない。

 土日限定でシープドックショーが開催されていて、牧羊犬がトレーナーの号令に従って、羊を追い込んでいく様子を楽しめる。子牛のミルクやり、乗馬、ヤギ、ウサギのエサやりなど、いろいろな体験もできる。

 春に刈り取った羊毛を使って羊のマスコットを作るウールクラフトを体験してみた。丁寧な指導で、20分ほどでオリジナルの羊マスコットが完成した。

 標高722メートルにあるゴールデンポイントからは、摩耶の山並みなどの眺望が広がる。ランチは、牧場内のレストラン「神戸チーズ」で。ちょうど、窓際の席に案内され、のどかな風景を目にチーズフォンデュを堪能。デザートにソフトクリームを食べて幸せ気分。五感で味わう癒やしの旅、しばし現実を忘れられた。 (山崎美穂)

 ▼ガイド 神戸市立六甲山牧場は午前9時~午後5時営業。4月から10月までは無休。11月から3月は火曜定休。公共交通機関では「六甲ケーブルコース」「まやビューラインコース」「六甲有馬ロープウエーコース」の3通りのアクセスがある。入場料は大人500円、小中学生200円。新神戸駅の観光案内所では、お得な「六甲・摩耶1dayチケット」などが購入できる。同牧場(電)078(891)0280

(中日新聞夕刊 2019年5月30日掲載)