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【愛知】街路灯消し、ホタルと共生 名古屋城外堀

ジャンル・エリア : | 愛知 | 生き物 | 自然  2019年05月31日

淡い光を放つヒメボタル=名古屋市中区三の丸で(長時間露光)

淡い光を放つヒメボタル=名古屋市中区三の丸で(長時間露光)

 名古屋城の外堀(名古屋市中区)にすむヒメボタルが光を放ちながら舞う季節を迎えた。都心部での生息は珍しいという小さな生きものを守ろうと、名古屋市はこの時期、街路灯の一部を消している。人と自然の共生への願いがこもった暗がりで、ホタルは成虫として1週間ほどの短い命を輝かせる。

 夜まで車の往来が絶えない市中心部の外堀通。29日、近くの護国神社から堀の土手をのぼって目を凝らすと、チカッ、チカッと点滅する幻想的な光があちこちに現れた。伴侶を見つけるため、雄は飛びながら、雌はその場で黄金色の光を発する。

 都心のわりに静かで、人工の光はあまり届かない。そのわけは、ホタルの生息場所を考えた街路灯の細かな調整にある。

 市北土木事務所は、外堀通の北に隣接する公園にある街路灯16本のうち、西端の1本のみ24日から電源をオフにしている。

 治安に配慮すれば、全てを消すことはできない。保護団体「名古屋城外堀ヒメボタルを受け継ぐ者たち」の要請を受け、5年ほど前から、最も生態に影響を与えそうな1本だけ消すことにした。
 
 このほか、外堀通沿いに立つ街路灯21本、本町橋の照明4基もすべて消している。名古屋高速も高架から光が漏れない工夫が施されている。そのかいあって、近年は1000匹を超す個体が確認されている。

ヒメボタルの生態系保護と、より観察しやすくするため消灯された外堀通沿いの街灯=名古屋市中区で

ヒメボタルの生態系保護と、より観察しやすくするため消灯された外堀通沿いの街灯=名古屋市中区で

 今年は猛暑の影響で、出現する時間が通常の午後11時ごろより遅い午前2時だった日もあった。しかし今月24、25日はともに1000匹を超え、見守る人々をほっとさせた。すでにピークは過ぎ、数は少なくなったが、6月1日ごろまで観察できる見込みだ。

 かつてお堀を走っていた名鉄瀬戸線の駅員だった竹内重信さん(故人)が1975年にヒメボタルを発見した。幼虫期を水中で過ごすゲンジボタルと異なり、ヒメボタルは山地など陸上で暮らす。保護団体は毎年、幼虫がどこにいるか調査し、北土木事務所とどこの草をどの高さに切るか、細かく話し合っている。

 代表の安田和代さん(59)は「さまざまな人が協力し、人の暮らしと生きものの暮らしが両立されている」と語る。

 (垣見洋樹)

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