ジャンル・エリア : 展示 | 文化 | 石川 2019年06月03日
白峰で企画展、出身者ら撮影
手取川ダムの建設により水没した旧白峰村(現白山市)桑島集落を写真で振り返る企画展「手取川ダムに沈んだ集落-桑島」が2日、同市白峰の県白山ろく民俗資料館にある旧織田家住宅で始まった。集落の出身者らによるダム建設前後の写真47点を展示している。7月15日まで。(鴨宮隆史)
手取川ダムの完成40周年を受け、水没した集落の歴史を振り返ろうと企画した。会場には、円筒形で集落のシンボルでもあった桑島小学校の校舎や児童たちの運動会、相撲大会といった昭和30、40年代を中心に集落の人たちの様子を伝える写真が並ぶ。
1963(昭和38)年の「三八豪雪」時の2階の軒先まで積もった雪をスコップで掘り起こしているところや電話線をくぐっている光景といった貴重な写真もある。78年初冬に撮影された桑島小の取り壊しや湖底に沈んだ集落の写真も掲示され、集落の歴史を伝えている。
桑島集落出身の同館の山口一男(いちお)館長(69)は「集落は家が235軒あり、1000人以上が暮らす大集落だった。それぞれが故郷を後にして新しい生活に進んでいったが、ダム湖のそこにはこんな生活があったのだということを知ってもらえれば」と話している。
7月14日午後1時半~3時には「湖底に沈んだ村の歴史」と題して、山口館長の講演会がある。先着30人で、今月14日から電話で受け付ける。9月1日には、桑島集落のあった場所を訪れるイベントを計画している。(問)同館076(259)2665