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【滋賀】永田友治の世界に迫る 江戸期の蒔絵師、甲賀で特別展

ジャンル・エリア : 展示 | 工芸品 | 芸術 | 近畿  2019年06月20日

槙鹿蒔絵螺鈿料紙箱(京都国立博物館蔵)=甲賀市信楽町田代のMIHO MUSEUMで

槙鹿蒔絵螺鈿料紙箱(京都国立博物館蔵)=甲賀市信楽町田代のMIHO MUSEUMで

 江戸時代中期に京都や大坂(現在の大阪)で活躍した謎の蒔絵(まきえ)師、永田友治(ゆうじ)に着目した夏季特別展が、甲賀市信楽町田代の美術館「MIHO MUSEUM」で開かれている。7月15日まで。

 永田友治の作品は、尾形光琳風の意匠に倣い、緑色系の青漆や、「友治上げ」と呼ばれる錫(すず)粉を使った高蒔絵などの独創的な技法が特徴。「方祝」の円印や、光琳の号の「青々」に「子」を加えた「青々子」を使用するなど、光琳の後継を強く意識したことがうかがえる。今回は、実像がはっきりしない友治に迫る初の展覧会という。

 会場には、最も有名で豪華とされる「槙鹿(まきしか)蒔絵螺鈿(らでん)料紙箱」や、合金粉や顔料で色とりどりのつぼつぼ紋を散らした「つぼつぼ蒔絵盃台(はいだい)」、友治上げによる輪郭線を用いた「福禄寿鶴亀蒔絵三組盃(さかずき)」など、85点が並ぶ。

 最終日を除く月曜日は休館。入館料は大人1100円、高校・大学生800円、小中学生300円。今月22日と7月13日の午後1時からは、桑原康郎学芸員によるギャラリートーク、今月30日午後1時半からは、国立能楽堂の高尾曜・調査資料係長による講演会がある。(問)同館=0748(82)3411

 (築山栄太郎)

(左)つぼつぼ蒔絵盃台(個人蔵) (右)福禄寿鶴亀蒔絵三組盃(京都国立博物館蔵)=いずれも甲賀市信楽町田代のMIHO MUSEUMで

(左)つぼつぼ蒔絵盃台(個人蔵) (右)福禄寿鶴亀蒔絵三組盃(京都国立博物館蔵)=いずれも甲賀市信楽町田代のMIHO MUSEUMで