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【長野】阿智、花火手作り300年 9月1日まで企画展

ジャンル・エリア : 展示 | 甲信越 | 花火  2019年07月30日

大三国やシャクマ、火車を生み出す花火道具の現物=阿智村智里で

大三国やシャクマ、火車を生み出す花火道具の現物=阿智村智里で

 阿智村清内路で300年ほど続く手作り花火の歴史と住民の情熱に迫る企画展「清内路煙火」が、同村智里の東山道・園原ビジターセンター「はゝき木館」で開かれている。全国でも珍しく、火薬作りから手がける住民の矜持(きょうじ)も伝わる。9月1日まで。

 清内路地区の上清内路と下清内路では、それぞれ住民が火薬を取り扱う資格を取得し、花火の製造から打ち上げ、奉納までを担う。展示は、両者の火薬作りの製造過程や特徴、道具、仕掛け、法被を一堂に集め、細かな違いも含めて間近に触れてもらおうと企画した。

 火薬の原料は硝石、炭、硫黄。配合を変えて10種類以上を作り、点火した際の火の勢いや見た目に違いを出す。火薬を擦る際は、上清内路がすり鉢と長い棒を使うのに対し、下清内路は鋳物の薬研を使い、技術が伝わったルートの違いが製造方法にも現れている。

 火薬作りは脈々と受け継がれる文化で、門外不出とされている部分もあるため、両者を並べて紹介するのは初めて。職員の北林夏布さん(31)は「この花火があるからとUターンする人もいる。住民の花火にかける思いを知り、興味を高めてもらえれば」と話している。

 (石川才子)