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【富山】高岡銅器に新たな風 富山大生が工芸作品、展示販売

ジャンル・エリア : オブジェ | 富山 | 展示 | 工芸品  2019年07月30日

学生が生型鋳造法で作ったオブジェを説明する三船温尚教授=富山大芸術文化学部で

学生が生型鋳造法で作ったオブジェを説明する三船温尚教授=富山大芸術文化学部で

 富山大芸術文化学部(高岡市)の学生8人が高岡銅器の主流技法の生型鋳造法で制作した作品を展示販売する展覧会が同学部のある高岡キャンパスで開かれている。8月2日まで。

 作品は、「ハリネズミ」や「ピーナツ家族」「溶けかけた鍵」などのオブジェ48点。学生が鋳型になる固めた砂に直接、手を加えて造形し、青銅(スズ15%、銅85%)を流し込んで作った。

 美術工芸品ではなく、商品として販売するのを前提にした産業工芸品を研究する授業の一環で、同大の鋳造専門の三船温尚(はるひさ)教授(63)が指導。生型鋳造法は原型を作り、砂で鋳型を作る同一品種大量生産型。学生は固めた砂に直接、造形を施して鋳型を作ることで、世界で一つだけの工芸品作りに挑戦した。

 「ハリネズミ」はハリネズミの体の鋳型にくしを刺し、青銅を流し込んでハリネズミの針を表現。「ピーナツ家族」はピーナツを鋳型となる砂に押しつけた鋳型で、押しつける時の位置や向き、並べ方を変えるだけで、一つとして同じではない表情の作品に仕上がる。

 三船教授は「鋳造を自由に遊ぶ制作は、高岡銅器の産地だからできること。新しい鋳造の可能性を探る取り組みであり、学生の自由な発想を見てほしい」と話す。

 開催時間は午前9時~午後6時。販売は希望するオブジェの代金を支払えば、展覧会の終了後に大学側が商品を発送する。 (武田寛史)