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【富山】福光時代の棟方作品一堂に 地元初公開 ふすま絵など

ジャンル・エリア : 富山 | 展示 | 歴史 | 芸術  2019年07月31日

地元・初公開のふすま絵「五智菩薩図」を解説する石井頼子さん(右)=南砺市法林寺で

地元・初公開のふすま絵「五智菩薩図」を解説する石井頼子さん(右)=南砺市法林寺で

 世界的板画家・棟方志功(1903~75年)の戦時疎開時代に焦点を当てた「棟方志功の福光時代展 信仰と美の出会い」(北陸中日新聞など後援)が、南砺市福光美術館で開かれている。地元・初公開のふすま絵「五智菩薩図(ごちぼさつず)」(愛知県清須市、西方寺蔵)が目を引く。9月23日まで。火曜休館。

 棟方は1945(昭和20)年4月から6年8カ月間、福光に滞在。土地に根付く浄土真宗の教えに仏教精神を深め、書も始めるなど、その後の画業の土台となった。この時代に制作された代表作品に加え、肉筆画(倭(やまと)画)、書、油絵、書簡など約100作品(総数約350点)を展示。12点で構成する名作「二菩薩釈迦十大弟子」のうち2点は板木が戦災で焼失し、彫り直した部分と、常設展示の肉筆とを比較できる。

 「女人観世音」、「道祖土頌(さやどしょう)」などの仏教的モチーフの板画、図書の装丁作品、福光の住民が所蔵する遊び心たっぷりの「汽車ポッポの図」「天神様」の掛け軸もあり、興味深い。

 北海道、東京、鹿児島に続く巡回展の4回目。27日にあった開会式で田中幹夫市長は「念願の作品展」と思い入れを話した。初日は棟方の孫で研究者の石井頼子(よりこ)さんの作品解説、講演もあった。観覧料(常設展含む)は一般800円、高校生・大学生500円。中学生以下無料。 (山森保)