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【京都】自分だけの至福の一杯 お茶作り体験 京都府木津川市

ジャンル・エリア : グルメ | テーマパーク | 特産 | 近畿  2019年08月01日

敷地内にある茶畑

敷地内にある茶畑

 暑い夏、ペットボトルのお茶を飲むことが習慣になっているが、せめて家では、急須で入れたお茶を飲みたいものだ。ペットボトルのお茶「伊右衛門」で知られる京都の福寿園では、自分で宇治茶を作る体験ができると知り、足を運んでみた。

 京都駅から近鉄で山田川駅へ。7分ほど歩くと「福寿園CHA遊学パーク」に着く。ここは、日本だけでなく、世界のお茶に関する体験や施設の見学ができる。敷地内には茶畑もあり、80種類の品種が栽培されている。体験や見学は全て予約制になっているので、ご注意を。

 体験できるコースは数種類ある。時期によっては、茶摘みも体験できるが、この日は「宇治茶作り」と「プレミアム世界の茶体験」を選んだ。まずは「宇治茶作り」から。あらかじめ、蒸された状態の茶葉を、ホットプレートを使って完成させていく。80度のホットプレートの上に茶葉を広げる。まだ湿り気の残る茶葉を両手でもみながら、葉の水分を抜き、組織を壊して傷をつけていく。これは、「もみきり」と言われる工程だ。

 両手でぎゅっと茶葉をつかむと、お茶のいい香りがする。日本茶インストラクターでもある秋山哲也さんは「強めに力を入れてください。傷が多いほど、お茶を入れる時に、うまみ成分が抽出しやすくなりますから」とアドバイスしてくれた。一心不乱にぎゅっぎゅっぎゅっ…。15分ほどで水分が抜けてパラパラッとなってきた。「いい感じになりましたね。おいしいお茶になりますよ」との言葉をいただいた。

ホットプレートの上で茶葉を手もみする工程=いずれも京都府木津川市で

ホットプレートの上で茶葉を手もみする工程=いずれも京都府木津川市で

 ここからホットプレートの温度を70度に保ち、茶葉を広げて乾燥させる。50分ほど時間がかかるとのことで、その間に「プレミアム世界の茶体験」へ。別階の世界の茶研究室で、ロシア、アラビア、チベットで飲まれているお茶を、順番に味わう。まずロシアの部屋では、ジャムと一緒に、アラビアの部屋ではミントの葉を入れて紅茶を飲んだ。圧巻はチベットのバター茶。茶を煮立たせ塩とバターを加えてかきまぜたもので、スープのような感覚だった。

 世界のお茶体験を終えると、そろそろ宇治茶の出来上がる時間。ホットプレート上のお茶は、乾燥して緑色が濃くなっていた。29グラムの「マイ宇治茶」が完成した。指示通り、急須に5グラムの茶葉を入れ、70度のお湯(一杯分)を注ぎ1分半後に飲んでみた。おー、甘みがあって、フレッシュな感じ。実践できる「スローライフ」で、小さなぜいたくを味わった。 (山崎美穂)

 ▼ガイド 福寿園CHA遊学パークは京都府木津川市相楽台3の1の1。石臼体験(税別1200円)、ほうじ茶づくり体験(同2000円)、茶道マナー教室(同1500円)など多彩なコースがある。完全予約制。(電)0774(73)1200

(中日新聞夕刊 2019年8月1日掲載)