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【三重】鳥羽・安楽島まるごと作品展 女子美大生ら

ジャンル・エリア : イベント | 三重 | 展示 | 芸術  2019年08月09日

作品を前に、意図などを学生らに説明する北村さん(右)=鳥羽市安楽島町で

作品を前に、意図などを学生らに説明する北村さん(右)=鳥羽市安楽島町で

 鳥羽市安楽島町一帯をキャンバスとした「鳥羽ストーリーズ・アートプロジェクト『安楽島』」が10日に始まる。女子美術大(相模原市)の学生らが、地元の伝承などに基づく作品などを展示しており、まち歩きも楽しめる。メインイベントは12日までだが、作品は年末をめどに長期展示される予定。

 同大准教授のリンダ・デニスさん(56)=オーストラリア出身=に学ぶ3、4年生と院生ら9人が参加。4月下旬に安楽島町を訪れ、住民らに聞き取りなどを行った。今月5日から鳥羽に滞在し、作品の制作や展示作業を進めている。デニスさんは2017年の夏にも、鳥羽の旧市街地「なかまち」で同様のアートイベントを開いた。

 今回は安楽島町の10カ所に、1人1点の作品を展示する。3年の北村芽子さん(21)は、神を運ぶ2隻の船、竜神「千速矢(ちわや)」「母矢(ははや)」という2つの伝承に着目。高さ1.7メートル、幅8.5メートルの防波堤に、アクリル絵の具で絵画を制作した。「安楽島で感じたパワーなどを古代の壁画や現代のストリートアートに融合させて描いた」と話す。

タイヤや漁網を使った椅子について話すデニスさん=鳥羽市安楽島町で

タイヤや漁網を使った椅子について話すデニスさん=鳥羽市安楽島町で

 デニスさんは、恵比寿(えびす)をまつった地元の「エベンドロ」をモチーフに、子ども用自転車の車輪3つと漁網を組み合わせた椅子を3脚制作。「安楽島の神秘的な空気を感じてほしい」と話す。

 他にも、子どもの遊び場として親しまれるてんぐ山をテーマとした木版画、旧安楽島保育所を表現する作品などがある。4月下旬に開催したワークショップで、子どもらが海藻を描いた100点の石も安楽島公民館で紹介する。

 10~12日の午前11時~午後3時、空き家を使った拠点「エベンドロ・ハウス」で同様のワークショップを開催し、飲食物や菓子類も販売。11日午前9時には鳥羽磯部漁協安楽島支所前に集合し、展示の場所を回るアートトークツアーを実施する。

 学生らの受け入れに尽力した「安楽島アートプロジェクト」代表、小林拓樹さん(49)は「アートを通じ、地元のつながりも深まった」と喜ぶ。(問)鳥羽市観光課=0599(25)1157

 (西山和宏)