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【石川】生の喜びと痛み 幻想的に 野々市 肉体テーマ 万さん個展

ジャンル・エリア : 展示 | 石川 | 芸術  2019年08月19日

作品「PAPILLONINDARKNESS」と万さん=野々市市本町で

作品「PAPILLONINDARKNESS」と万さん=野々市市本町で

 肉体をテーマに描き続けている画家万(まん)さん(53)の個展「PLEASURE(プレジャー)&PAIN(ペイン)」が、野々市市本町のギャラリー「ルンパルンパ」で開かれている。脳内に浮かんだ幻想的な世界を表現した。(押川恵理子)

 コラージュ作品「PAPILLON(パピヨン) IN(イン) DARKNESS(ダークネス)」(縦約73センチ、横50センチ)は、漆黒の闇に横たわる肉体に一筋の光が差し込むように見える。1匹のチョウチョが飛び立つ先には涙のような粒がきらめく。小品以外で初めて、下描きせずにカンバスに直接描いた。顔のない肉体は男か女か、人間なのかも分からない。大理石のような不思議な質感の肉体は油絵の具とアクリル絵の具を併用して生みだした。

 羽咋市生まれ。音楽の道に進んだが、20代半ばで画家を志した。肉体を描く背景にはぜんそくに悩まされ、健康にあこがれた幼少期の経験がある。作品を貫くのは「生の肯定」。新作4点を含む絵画20点に加え、10編の短編小説も初展示。「絵画は感覚的なもの。言葉は脳内で組み立てるもので、難しかった」

 万さんが企画した工芸展「カオビ」も同時開催されている。「性」をテーマに石川、富山を中心にガラスや陶芸、編み物の作家17人が20点を出品した。直接的な表現に賛否分かれそうだが、造形や絵付けの圧倒的な美しさは目を引く。

 9月3日まで。午前11時~午後7時、水、木曜休み。(問)ルンパルンパ076(287)5668