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【石川】画家HISAさん 幸町で個展  青い世界 命への祈り

ジャンル・エリア : イベント | 展示 | 石川 | 芸術  2019年09月04日

すべての命にやさしい世界を願う作品「十三月夜の祈り」とHISAさん=金沢市幸町で

すべての命にやさしい世界を願う作品「十三月夜の祈り」とHISAさん=金沢市幸町で

 「青い世界」の表現を追求している金沢市涌波の画家HISA(ヒサ)さん(42)の個展「青い世界+石ころりの庭」が、同市幸町のカフェ「ノマドライフ」で開かれている。心に浮かんだまま描いた。根底にはあらゆる命への祈りがあるという。17日まで。(押川恵理子)

浪江のコスモス 故郷・小浜と重ね

 寒色の絵の具だが、ぬくもりを感じる。作品「十三月夜の祈り」は、あと少しで満ちる月が雲間に浮かび、月の隣で少女が歌う。風や噴水など日常にあふれる音を音楽のように感じ、踊っていた次女の姿から着想を得た。地上に咲き誇るコスモスは、福島県浪江町の「町の花」だ。

 東日本大震災後、HISAさんは福島などに支援物資を送っていた。持ち味だった明るい色彩の作品が描けなくなり、2014年、これを最後に絵筆を置こうとキャンバスに向かった。無心で腕を動かした。「青い世界」が生まれた。

 近くに原発がある福井県小浜市で生まれ育ち、「浪江町が古里と重なった」。作品に命への祈りを込めた。「動物、人、地域などで分けられることで悲しい思いをしたり、争いや分断が生まれたりする。すべての命にやさしい世界になるといいな」

 アクリル画の「青い世界」シリーズは原画9点、水彩とパステルで庭や散歩道の草花を描いたシリーズ「石ころりの庭」は16点が並んでいる。個展は、ノマドライフ店主の大江美奈さんが18年5月の本紙記事でHISAさんの作品と描く思いを知り、開催に至った。「海だったり、夜だったりする青い世界がすごく好き。いろんな世界が見られる」と大江さん。

 7日午後5時から、HISAさんとゆかりのあるシンガー・ソングライターよしだよしこさんのライブがあり、映像作品も上映する。チケットは2500円とドリンク代(500円)。詳細はノマドライフのホームページで紹介。

 営業は午前11時半~午後5時(7日は同2時半)、8日は午後1~4時、水、木曜休み。 (問)同店076(209)5773