ジャンル・エリア : グルメ | テーマパーク | 展示 | 花 | 近畿 | 鉄道 2019年09月05日
イングリッシュガーデンで有名な滋賀県米原市の「ローザンベリー多和田」へ足を運んだ。今春には敷地内に英国の人気クレイアニメ「ひつじのショーン」の世界を再現した「ファームガーデン」もオープンし、親子連れでにぎわっていた。
まずは入り口近くの「バラと宿根草の庭」へ。中に入ると、一瞬で絵画の中に入りこんだような感覚になった。手入れされた芝生、自生している大きな木々、英国製レンガのオブジェや青いベンチ、湖を望むテラス席もある。訪れたのは猛暑日だったが、木陰に入ると、心地よい風が通り抜けていく。
オーナーの大沢恵理子さん(63)は「理想の庭をつくりたいという夢を実現した」という。「野生種が好きなので、自然にもともとあるものを生かしながら、バラを中心に少しずつ品種を増やしていった」と大沢さん。周囲を山に囲まれた13ヘクタールの土地に、2003年から8年がかりでガーデンをつくりあげた。
「ローズガーデン」のコーナーには、約60種180株のバラが植栽されている。大沢さんは「10月中旬からは秋バラを楽しんでいただけますよ。バラが咲いていない時期もあるのですが、四季折々の風景を楽しんでほしいです」と話す。
最奥の「ひつじのショーン ファームガーデン」までは、電気機関車「ミルキーウェイ」で。芝生ひろばにある駅から、「フェアリーガーデン」駅まで約1キロを10分ほどかけて上っていく。
丘の中腹にある「フェアリーガーデン」は、“妖精”たちが暮らす小さな家や店が点在している。まるでおとぎ話の世界だ。丘の上に行くと「ひつじのショーン」の看板がお出迎え。
物語に登場する牧場主の家や、ひつじたちの小屋などが再現され、英国ののどかな田舎の風景が広がる。
丘を下り、緑に囲まれた中庭にある「カフェ EASY TIME」で休憩。アフタヌーンティーセットを注文した。ここで出されるパンやお菓子などはすべて手作りで、敷地内の畑でとれた野菜やハーブがふんだんに使われている。一品一品に小さな花があしらわれ、品数はスコーンやデザートなど約15種もある。こんなに一人で食べられるのかと思ったが、あっという間に完食してしまった。
オーナーである大沢さんのこだわり、心意気が随所に表れている施設だなと感じる。涼しい時に再訪したいと思った。 (山崎美穂)
▼ガイド ローザンベリー多和田は滋賀県米原市多和田605の10。午前10時~午後5時。火曜休園(祝日は営業)。入園料は大人1000円、子ども(3歳から小学生まで)500円。JR米原駅からタクシーで約15分。土日祝日はJR米原駅から、シャトルバスが運行(大人500円、子ども300円)。(電)0749(54)2323
(中日新聞夕刊 2019年9月5日掲載)