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【愛知】66年前の「13号台風」伝える絵を展示 西尾で水彩6点

ジャンル・エリア : 展示 | 愛知 | 芸術  2019年09月26日

見つかった絵を前に、13号台風の被害について話す大美さん(右)ら=西尾市の一色学びの館で

見つかった絵を前に、13号台風の被害について話す大美さん(右)ら=西尾市の一色学びの館で

 66年前に西尾市の一色地区に大きな被害をもたらした「13号台風」の被災状況を描いた水彩画6点が西尾市内で確認された。地域の史跡などを題材にした作品を多く残した地元の画家三矢よしをさん(1906~84年)の作品。29日まで西尾市の一色学びの館で展示している。

 見つかった水彩画は台風襲来時の様子やその後の町の混乱が描かれている。激しい風雨の中で屋根に上って助けを求める人、打ち上げられた大きな船の横で救援物資を運ぶ様子、満潮のたびに水浸しになり、道路を行き交う船など。俵を積んで堤防を人力で復旧している様子を描いた絵もあり、台風襲来時以外の5点は三矢さんが実際に目にした風景と考えられる。

 三矢さんが原画を描いた絵本「大ぢょうちん」の復刻委員会が調査過程で三矢さんの親類宅に保管されているのを確認した。一色地区にあった塩田の様子など、地域を題材にした作品13点も一緒に見つかった。

 一色町史などによると、13号台風は1953年9月25日に襲来。一色地区では堤防51カ所が決壊し、大量の水が流れ込んで16人が死亡、777人が重軽傷を負った。

 復刻委員長の大美俊幸さん(69)は「三矢さんが強く感じたことが強調されて描かれているだけに、悲惨さが伝わってくる。台風の恐ろしさをあらためて考えるきっかけにしてほしい」と話す。

 (宇佐美尚)