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【石川】和倉の空 ランタン飛ばそ 願いの短冊、「火様」で成就祈る

ジャンル・エリア : イベント | 文化 | 温泉 | 石川  2019年09月26日

火様のランプを手にイベントをPRする森田孝夫さん(右)と毛利光歩さん。奥が渡月橋=七尾市・和倉温泉で

火様のランプを手にイベントをPRする森田孝夫さん(右)と毛利光歩さん。奥が渡月橋=七尾市・和倉温泉で

4、5日 各日300個

 願い事を書いた短冊付きの小型の気球を飛ばし幻想的な雰囲気を楽しむ「和倉温泉ナイトワクランタンin渡月橋」が10月4、5日に七尾市・和倉温泉の渡月橋周辺で初めて開かれる。最後には、同市中島町河内の集落が300年以上守り続けるいろり火の風習「火様(ひさま)」の火で短冊を燃やし願いの成就を祈る。(中川紘希)

 和倉温泉観光協会が主催する。発光ダイオード(LED)ライトを入れた風船を和紙で包む「ランタン」を各日300個、橋から一斉に揚げる。あらかじめひもを付けておき回収した後、神聖な「火様」を火種にしたかがり火で燃やす。

 協会担当者の毛利光歩さんは「ランタンを飛ばす催しは能登では珍しい。さらに火様の御利益を授かることで和倉でしかできないイベントになる」と話す。

 火様は同集落が守り続けてきたいろり火で、先祖の魂が宿る家の守り神とされる。この集落に妻の実家がある森田孝夫さん(70)=埼玉県=は2016年、風習を唯一守り続けていた高齢女性から種火を授かった。その女性の死後も、能登と埼玉県を行き来しながら特注のランプで火を守り、伝統の継承に向けて模索している。

 これまでも地元行事に火を提供してきた森田さんは「集落のものだったこの火は、能登全体の火として受け継いでほしい。まずは風習を知ってもらえれば」と今回のイベントに協力した。

 催しは両日とも午後8時開始。ゴスペルとハーモニカのコンサートが開かれた後、午後9時にランタンを飛ばす予定。参加無料。

(問)同観光協会0767(62)1555