ジャンル・エリア : テーマパーク | 乗り物 | 甲信越 | 鉄道 2019年10月10日
ログハウスや多目的ホールなどを備える松本市寿北の「淵庵(ふちあん)村」に、敷地内を走る手作りの“森林鉄道”が登場した。竹渕雅樹村長(34)の父で施設を運営する豊さん(67)が、昨年10月からこつこつと作り上げ、7月に完成した。9日には鉄道運行の安全祈願祭を営んだ。
豊さんは幼い頃から鉄道が好きで、高校時代には山林で切り出した木材を運搬した木曽森林鉄道を見て感動。「いつか自分で再現してみたい」という思いを温めてきた。敷地内の森や畑だった部分を整備し、実際の6分の1のミニチュア版を作ることにした。
線路は延長150メートルで、長円を描くように敷かれた。先頭車両は機関車の模型で、運転席がある2番目の車両に設けたモーターが動力。最後尾は3人が座れる客席が連なっており、脱線しないよう走らせるのに試行錯誤を重ねたという。
木々の間や建物の周囲などをゆっくりと走り、施設利用者が無料で乗ることができる。線路上には「駅」も設置し、豊さんは「昔の情景を再現できていたらうれしい。子どもたちにもぜひ楽しんでほしい」と話す。
線路をつなげる際に角度を合わせるのが難しかった場所は「合角(ごうかく)峠」と名付けた。近くには難所突破への思いを込めた「合格神社」まで作り、自宅にあった神棚を設置した。安全祈願祭では神事でミニチュア鉄道の安全を願ったほか、合格神社の入魂式も執り行われた。
淵庵村は2012年にオープンし、ログハウスやトレーラーハウスなどの宿泊施設のほか、自然豊かな庭、茶室、バーベキュー場などが設けられている。(問)淵庵村=0263(55)3130
(竹内なぎ)