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【富山】砺波支えた麻布と問屋 郷土資料館展示「神田商店」に焦点

ジャンル・エリア : 富山 | 展示 | 歴史  2019年10月21日

砺波地方の麻布生産の歴史を紹介する展示=砺波市花園町で

砺波地方の麻布生産の歴史を紹介する展示=砺波市花園町で

 砺波郷土資料館(砺波市花園町)の郷土先人展「砺波地方の麻と出町の麻問屋神田商店」が、同館で開かれている。11月24日まで。月曜、第3日曜休館。

 砺波地方はかつて麻布生産が盛んで、文献によると江戸時代初期に旧砺波郡五郎丸村、八講田村(いずれも現小矢部市)が年貢の代わりに加賀藩に納めていた。武士の裃(かみしも)や夏着、蚊帳、畳のへり、のれんなどに使われた。その後、福光(南砺市)、中田(高岡市)が主産地となり、生活様式の変化や太平洋戦争後の原料の大麻栽培の禁止で衰退したとされる。

 展示は、問屋の舟岡商店(南砺市福光)とともに栄えた神田商店(砺波市出町)に焦点を当て、麻布生産の歴史をパネルを含む約100点の展示で紹介。神田商店は近江商人とも取引があり、軍帽・軍服の裏地用に日露戦争の特需で業績を伸ばしたことや、第3代当主が旧出町町長を務めた名士であったこと、社業は麻袋やスパゲティなどを生産する日本製麻(神戸市)の歴史につながっていることを説明している。

 担当者は「砺波地方の人々の暮らしを支えた麻布生産・取引の歴史を知ってほしい」と話している。

 (山森保)