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【岐阜】「オノマトペ」だけで本を選んで 瑞浪市民図書館が企画

ジャンル・エリア : 展示 | 岐阜  2019年10月25日

オノマトペだけで紹介された本を手にする吉田さん(左)ら=瑞浪市土岐町の瑞浪市民図書館で

オノマトペだけで紹介された本を手にする吉田さん(左)ら=瑞浪市土岐町の瑞浪市民図書館で

 「ぺたっぺたっ」「じいっ」。書名や内容が隠され、袋の表面に書かれているのは「オノマトペ」と呼ばれる擬声語だけ。オノマトペだけで本を選び、新たな本との出合いをつくる企画展「音で楽しむ図書館 オノマトペの世界」が、瑞浪市土岐町の瑞浪市民図書館で開かれている。11月10日まで。

 オノマトペは古代ギリシャ語が語源で、見た目や手触りなどの感覚を言葉で表現したもの。27日~11月9日の読書週間に合わせて、本の面白さを伝える方法のひとつとして企画展にオノマトペを活用した。

 オノマトペで表現された本は約40冊で、ジャンルは小説や絵本、実用書などさまざまだ。すべて新聞紙で包まれ、来館者は大きなかごの中から1冊ずつ手に取って選んでいく。貸し出しの手続きを終えて、包装を開くまで内容は分からない。それぞれのオノマトペは、職員やボランティアが本のイメージからつけ、本の内容や装丁を連想できるように、字体やイラストなどのデザインも工夫した。

 同館職員の吉田萌実さん(28)は「オノマトペから連想するイメージが人によって違うのが面白い」と顔をほころばす。オノマトペだけで、どんな本が中に入っているのか当てるのは難しい。例えば、「コトコト」は何かを煮込んでいるような音だが、実はSF小説だったりする。利用者からは「普段読まない本に出合えて面白かった」との感想が寄せられたという。

 吉田さんは「本の内容を音だけで表現して紹介する企画は他に例がないのでは。気になったオノマトペを手掛かりに、多くの本を手にとってほしい」と新しい本の楽しみ方を勧めている。

(真子弘之助)