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【福井】福井藩主の「松平文庫」を常設展示 県文書館、寄託先の変更受け

ジャンル・エリア : 展示 | 文化 | 歴史 | 福井  2019年10月28日

絵巻や図などの松平文庫の展示に見入る来場者=福井市の県文書館で

絵巻や図などの松平文庫の展示に見入る来場者=福井市の県文書館で

 福井藩主・越前松平家が所蔵してきた資料群「松平文庫」が11月から、福井市の県立図書館から県文書館に寄託先が変更されるのを機に、県文書館で企画展「あらためまして松平文庫展」が開かれている。12月18日まで。

 寄託先の変更は数年来の懸案だった。1950(昭和25)年に同市宝永3に県立図書館が建てられた際、松平家が資料群を寄託。その後、図書館は2度移転し、2003年には現在の図書館と歴史的公文書と古文書の保管、研究を目的にした県文書館が一体的に整備されて開館した。資料群は文書館の貴重書庫内に保管されたが、寄託先は変更されなかった。

 今回の寄託先変更により、文書館内で松平文庫の資料が常設展示されることになった。季節ごとに内容を変えながら、貴重な資料を分かりやすく伝えていく。

 企画展では松平文庫のうち特徴的なものを紹介している。文書館前の壁に張られた約4メートル四方の「越前国之図」は、江戸前期の1685(貞享2)年に作製された巨大地図。郡ごとに色分けされ、当時の福井県の様子がうかがえる。

 文書館の長野栄俊主任は「寄託先の変更によって、松平文庫を組織的に活用していく体制が整うはず。職員やボランティアの地道な努力で資料のデジタル化も進んでいる。興味を持って見てもらえたら」と話していた。

 松平文庫 福井藩と越前松平家に伝わる1万点を超える資料群。藩政史、幕末史の基礎資料が数多く含まれ、藩士の人事に関するものや絵図も多い。一部は「デジタルアーカイブ福井」に登録されており、インターネット上で閲覧できる。

(藤共生)