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【愛知】南吉の故郷で「ごん」アニメ上映 人形や背景、丁寧にコマ撮り

ジャンル・エリア : イベント | エンタメ | 愛知  2019年10月30日

プラネタリウムいっぱいに上映される作品=半田市の半田空の科学館で

プラネタリウムいっぱいに上映される作品=半田市の半田空の科学館で

 半田市出身の童話作家新美南吉の作品で、小学生の教科書にも採用されている「ごんぎつね」のストップモーションアニメが、半田市の半田空の科学館のプラネタリウムで上映されている。ごんと兵十の悲哀にあふれたストーリーが、人形を動かしてコマ撮りする手法によって丁寧に描かれている。

 タイトルは「ごん /GON,THE LITTLE FOX(ゴン、ザ・リトル・フォックス)」。CM制作会社「太陽企画」(東京)のストップモーションアニメスタジオ「TECARAT(テカラ)」の八代健志監督が制作した。

 ストップモーションアニメは、人形や背景などの被写体を少しずつ動かして撮影する技術で、ごんでは基本的に1秒間で24枚の画像を使用。関節だけでなく、顔の表情も動かせる人形を使い、滑らかな動きを表現している。

 主人公の子ギツネ・ごんのいたずら相手の兵十の家は、半田市にある南吉の養家をモチーフに作った。ヒガンバナや魚、はりきり網などの小道具も全て手作り。映像は28分間だが、構想や美術制作は約2年半前に始まり、撮影だけで10カ月かけた。

 作品では、ごんが擬人化されて登場。原作にはない兵十の幼いころのエピソードや病気の母親との会話、兵十がヒガンバナを「ふしぎな贈り物」のお礼として置き、ごんがその花を持ち帰るシーンを入れるなど脚色も加えている。八代監督は「原作を読んだ誰もがいろいろな思いやイメージを持っていると思う。その中の一つの『ごんぎつね』だと思ってもらえればうれしい」と話す。

 上映は来年9月27日まで。毎週金、土、日曜と祝日の午後2時半から上映する。観覧料は大人500円、子ども(3歳~中学生以下)200円。

 11月3日午後1時~2時半には科学館で八代監督によるトークショーがあり、八代監督が人形を使ってコマ撮りの方法を紹介した後に作品が上映される。参加費は500円。(問)空の科学館=0569(23)7175

 (垣見窓佳)

 <ごんぎつね> いたずら好きの子ギツネ・ごんは兵十が川で捕った魚やウナギを逃がしてしまう。その後兵十の母親の葬列を見たごんは、ウナギは兵十が病気の母親のために用意していたものだと思って後悔。償いとして毎日栗やマツタケを届けるようになる。

 贈り物が誰からなのか分からない兵十。ある日ごんが家に忍び込んだことに気づき、またいたずらに来たのだと思ってごんを撃ってしまう。その時土間に、栗などが固めて置いてあったことに気づき、はじめてごんがおわびに置いていたことに気付く。