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【石川】ハンミョウ 魅惑の世界 県昆虫館 絶滅危惧種など紹介

ジャンル・エリア : 展示 | 生き物 | 石川  2019年10月30日

県内に生息するハンミョウの生体も展示している会場=白山市の県ふれあい昆虫館で

県内に生息するハンミョウの生体も展示している会場=白山市の県ふれあい昆虫館で

 甲虫類のハンミョウを紹介する企画展「魅惑の狩人 ハンミョウ」が、白山市の県ふれあい昆虫館で開かれている。世界各地のハンミョウの標本や本州では羽咋市と志賀町の海岸だけに生息する絶滅危惧種イカリモンハンミョウの現状をパネルで解説。背面の赤、青、緑の光沢色が美しいナミハンミョウなど県内にいる5種類のハンミョウ類の生態を紹介している。(鴨宮隆史)

美しい色彩や大顎 特徴

 ハンミョウは鎌のような形をした長い大顎(おおあご)を持ち、細長い体形の昆虫。県立自然史資料館であった企画展「美しき甲虫 班猫(ハンミョウ)の世界」の巡回展として、12月9日まで開催している。

 動物生態学が専門の京都大の堀道雄名誉教授が所蔵するハンミョウの標本約1200点を展示。アフリカやアジア、北米など世界の各地ごとに分けて解説し、クワガタのような大顎のアフリカにいるエンマハンミョウなどが並ぶ。日本では25種2亜種が記録されており、日本列島に分布する17種のうち、県内には12種がいて本州ではハンミョウの種類数が多い県の一つになるという。

 イカリモンハンミョウは県立大の上田哲行名誉教授の研究を紹介。海岸の砂浜で幼虫として冬を越すが、波の浸食による砂浜の環境変化などで危機にひんしていることを解説している。

 同館の石川卓弥学芸員は「珍しいハンミョウが絶滅の危機にひんしていることを知ってもらえれば」と話している。