ジャンル・エリア : 展示 | 工芸品 | 石川 | 芸術 2019年10月31日
日本画家としても一流の腕を持った近代九谷の名工、笠間竹雪(ちくせつ)(1871~1934年)の作品を集めた特別企画展「没後85年記念 近代九谷の名工 笠間竹雪絵画展」が、能美市九谷焼資料館で開かれている。来年1月13日まで。
竹雪は現在の白山市生まれ。15歳で九谷焼の名工、沢田南久(なんきゅう)に師事し、南久が好きだった日本画にも傾倒した。日本画家の高島北海に学んだ経歴を持つ。1903(明治36)年に寺井に工房を開いた後も日本画を描き、九谷焼とともに多くの名作を残した。
会場には竹雪の掛け軸と九谷焼計104点を展示した。掛け軸では、表情や羽の細部まで生き生きと描いた「鶏(とり)図」や「軍鶏図」、九谷焼では抑揚のある線で躍動する馬を描いた皿「百態馬図皿(ひゃくたいばずざら)」などが目を引く。
外孫にあたる廣田(ひろた)豊春さん(能美市五間堂町)の所蔵品を展示した。
廣田さんは竹雪の命日の29日、市に竹雪作の九谷焼「色絵牡丹(ぼたん)に孔雀(くじゃく)図花瓶」を寄贈した。同館の佐久間忍施設長(53)は「名工竹雪の隠れた画業とその質の高さを楽しんで」とPRしている。(吉野淳一)